ブック・レビュー 『インドウェリング』
レフトビハインド7
植杉 献
片岡町キリスト集会会員
永遠の希望を語る黙示録を身近に感じさせてくれる
ついにレフトビハインドシリーズの第七巻が発売された。前巻最後で暗殺されたニコライはいかにして復活するのか。ニコライファンを自認する私としては見逃せない。「クリスチャンなのに反キリストのファンなのか」と怒られそうだが、フィクションなのでご勘弁いただきたい。サタンの最高傑作である反キリストは、キリストを模倣しつつ本質を外す。そのやり方が興味深いのである。第七巻では、ニコライが暗殺されてから復活するまでの三日間が描かれている。短い期間だが、密度は濃い。前巻では混乱の内に殺されたニコライの最期の様子が、関係者の証言などによって明らかにされていく。容疑者となったレイフォードはどうやって逃亡するのか、気になる真犯人はだれか、など見所満載である。また、小さな記事だがデイビットの悔い改めのシーンは信者の歩みとして考えさせられた。
また、ニコライの復活シーンは圧巻である。すごい、かっこいい、と言っていたら妻が、「イエス様の足元にも及ばない」と言う。
この巻は黙示録一二章と一三章を主に描いている。意見はいろいろあると思うが、解釈のひとつとしておもしろい。
今までの巻もそうだが、このシリーズは読んでいて「そうだったかな」と聖書を開いたり、「ここをこう描いたのか」と聖書を確認したりなど、なじみの薄かった黙示録を身近に感じさせてくれる本である。
黙示録は途中いろいろあるが、最終的に永遠の希望を語る書である。私と妻は現在、末期ガンの母を在宅で看護している。この原稿が掲載されるころには、看護は終わっているかもしれない。母は今、しきりに黙示録二一章の新天新地の話をする。信者にとって最終的な希望は、やはりそこだと実感させられている。
シリーズでは二一章の新天新地までは描かれていないと思うが、そこまでの過程を噛み砕いて示してくれている。ぜひ立場の違う方にも読んでもらいたい。