ブック・レビュー 『クリスチャン英会話ハンドブック――信仰生活篇』
川端 光生
久留米キリスト教会 牧師
英語を話すクリスチャンとのコミュニケーションに必要な一冊
「基本や定型の重要性はどの分野でも言える。しかし、個性、オリジナリティ、創造性といった響きのいい言葉にかき消されてしまう。信仰が成長せず人間関係が回復しないのも、手っ取り早いテクニックや思い付きの奇策に頼って、『聖書の学びと祈り』という基本に立たないことにあるのではないか。基本を身につけ習慣にする忍耐強さがなければ、何かを成し遂げることはあきらめたほうがいい。昨今はあまりにも楽で簡単な道を説きすぎる。もちろん、語学の学びもそうである。『話したい』という欲求が先に立って、基本や定型をしっかりたたき込むことを面倒がるなら、いつまでたっても上達しない。」
前回、『クリスチャン英会話ハンドブック』が出たときには、そのようなことを書いた。そして今回、その「信仰生活篇」が出た。辞書では見つけにくい教会用語や教会でよく使う文章が列挙してある。ちょっとレベルアップしてあるそうだ。前回の本をマスターした人、それではやさしすぎて物足りなかった人にお勧めである。
最近、私の韓国の恩師から、『クリスチャン日本語ハンドブック』(?)を出版したいので、日本語の教会用語をピックアップして欲しいという依頼を受けた。やはり一般辞書にはないらしい。日本の教会で奉仕したいという人たちの間で需要があるとのことだった。クリスチャン同士の間では、クリスチャン用語は互いの意思疎通を滑らかにするために不可欠なのであろう。
では、ちょっとテストを。”atonement, blasphemy, condemnation, vicarious death, resurrection”「信仰義認」「契約」「姦淫」「異邦人」「多神教」。英語は日本語、日本語は英語にしてみてください。一つでもわからない語があればお買い求めください。ただし、この手の本は最後まで根気よく学び通す意志がなければ、本棚の飾りとなろう。