ブック・レビュー 『グローリー・トゥ・ゴッド』
岸義紘
Jesus To Japan 宣教神学校学長
ジョシュア佐佐木の人生の大逆転劇がキリストを証しする
愉快、痛快、おもしろい。本書は、ゴスペルシンガーのジョシュア佐佐木氏の半生をつづった驚きと感動の伝道書である。「七歳のとき、こぶしを握った瞬間からだった。空手は僕の心をとらえて離すことがなかった。」父親が開く道場で、一日平均六時間、多い時には八時間以上のハードな稽古を十年も続けた。二つの暴走族のリーダーと四つの高校の総番長を務め、ナイトクラブの用心棒たちをたたきのめしていた過去をもつ。
ジョシュア佐佐木は、だれもが認めるクールな紳士で、自分を犠牲にしても、隣人を愛する、心優しくて、勇気あるジェントルマンである。
日本宣教音楽学校の学長として、学生たちの先頭に立ち、しんがりにつける現在のジョシュア佐佐木からは、この本に書かれている少年・青年時代はまったく結びつかない。
ただ、目標を見据えて突き進む真剣なまなざしや、情熱的な姿勢は一脈通じる強さを思わせる。
映画を見るような、鮮明で臨場感あふれる展開は、スポーツマンらしいきびきびとした身のこなし、歯切れの良い短い文章によるもの。また、それが真実の記述であるからだろう。
日陰に身を落とす一人の人間の心と生き方を、ここまで変えて救いあげるイエス・キリスト。歴史と世界に、同じような大逆転を体験した人々があふれているとしても、何とも痛快な証言のまとめである。
六本木を震え上がらせた男が、音楽大学生となり、やがてイタリアで活躍する声楽家となり、音楽学校の学長となる。この筋が読む者を引き込んで離さない。これは万人向けのハイライト自叙伝、キリストの伝道書と言える。
著者がプロデュースをし、ライフ企画から発売されているワーッシップCD「j-worship」シリーズと合わせて使うとベスト。