ブック・レビュー 『シングルライフを最高に生きる』

『シングルライフを最高に生きる』
安藤理恵子
キリスト者学生会(KGK)主事

ぼんやりした恐れや不信仰がひとつづつ修正されていく

 この本は現在、独身状態にあるすべての女性に勧めるべきものです。既婚の女性には、女性としての可能性と献身について初心に返るための一冊としてお勧めします。また、「独身」という時代からはもう脱出できると安心して結婚の準備をしている方にも、ぜひ一読をお勧めします。しばらくの結婚生活ののちには、大抵はどちらかが先に死ぬことによって、新たなシングルライフが始まるのですから。著者のギエン・カーセンは、結婚前のシングルライフと、夫の死による結婚後のシングルライフの両方を経験している人です。彼女の言葉は、女性が向き合う社会や教会、自分の内側からの疑いや葛藤を直視し、神のことばによる活力と慰めをていねいかつ大胆に励ましているものです。

 かつて私が若くて、独身時代を長く過ごすにはまだ覚悟がなかったころ、おそるおそるこの本の前版『独身の祝福』を手にしたときのことを思い出します。当時、不安な青年期を過ごしていた私は、自分の孤独感が結婚で満たされるとは考えにくかったし、でもその程度しか手段がないのかと思うと、結婚しないかもしれない未来は砂をかむ日々のように思え途方にくれていました。この本は、そんな私の心の闇を言い当てて、その解答を鮮やかにキリストの光によって教えてくれるのです。

 一章読み進める度に、自分の中にあるぼんやりした恐れや根深く巣食った不信仰が、ひとつずつ修正されていく心地よさを感じました。創造主に従いさえすれば、現在についても、未来についても、最高の祝福を確信してよいのだ。そんな当たり前の信仰生活を、それまでは私は本気では信じていなかったのでした。

 この本を通して、自分の人生に対する主の実際的な祝福に懐疑的になっている方々が、確信と喜び、将来への自信を獲得することを願っています。そして主に従おうとする方々が、これまで以上にキリストに深く献身する者にさせられることを期待しています。