ブック・レビュー 『デイリー・クリスチャン・ライフ』
人格的な交わりの中で生きる
丸山 告
日本福音キリスト教会連合 キリスト教朝顔教会 青少年担当教育主事
誰もが通るべき信仰生活の道のりを手助けしてくれる
家庭、学校、教会、それぞれの場でそれぞれの人間関係があり、交わりの中で人は生かされている。本書は一貫して、「人格的な交わりの中で生きる」ということに焦点が当てられ、それによって信仰が成長することを示してくれる。項目も詳細に分けられていて講義後の質疑応答まで記されているので、臨場感にあふれている。キリスト者として働くことや、結婚の備え、夫婦のコミュニケーション、子どもとの関わり、教会生活……。しかし、個々が別々に記されているわけではない。それらの信仰者として大事なステップを、みことばで裏付けされた「人格的な交わりの中で生きる」というテーマで貫かれているのだ。
まずはクリスチャンとして働くこと。祈って王の要求に応えたダニエルの信仰から、社会で働くキリスト者にとって確かなモデルとして提示し、ひとりで祈るだけでなく、交わりの中で祈り求めるということを教えてくれる。
結婚の備え、夫婦のコミュニケーションは、夫婦の交わりが三位一体の神の交わりに基づいているという真理を教えられ、聖書の結婚観を学ぶことができる。
子どもとの関わりも興味深い。子どもが人格的に成長し、成熟することを願い、主が子どもを育ててくださると信じる大切さを示唆している。
また、クリスチャンにとって必要不可欠な教会生活についても言及されている。教会の交わりによって、私たちと主との交わりが育てられていく。単に礼拝で一緒に集まるだけでなく、生活全体における一体性に生きるという大事なポイントを確認できる。
こうしてみると本書は、進路に悩んでいる学生、結婚をひかえている青年、クリスチャンの夫婦、子育てに奮闘している方など、誰もが通るべき信仰生活の道のりを手助けしてくれている。ご夫妻の執筆なので、老若男女問わず手にとっていただきたい書物である。