ブック・レビュー 『バイブルカフェでひとやすみ』
ホッとできる聖書の話31

『バイブルカフェでひとやすみ』ホッとできる聖書の話31
佐々木炎
日本聖契キリスト教団・中原キリスト教会牧師

未信者の方に聖書を読みたいと思わせる選りすぐりの〈ホッ〉とメニュー

 「聖書を読んで欲しい!」

 私たちクリスチャンの誰もが、まだ信じていない人たちに願っていることです。また未信者の方々も、本の中の本、世界中で一番読まれ、人々に多大な影響を与えている「聖書」を読んでみたいと願っている人は多数いるはずです。そう考えると多くの人たちが聖書を読んだということになるはずなのに、事実は「少し読んだけど読めなかった」と挫折している人が少なくないのが現実です。

 このことは当事者の「やる気」や「祈り」が足りないと簡単に片付けられない問題で、私は「聖書に興味をもって読みたくなるような副読本が欲しい」とひそかに思っていました。まさに本書は私たちクリスチャンの願いと、未信者の聖書に対する思いを「かなえてくれる」待望の本であると思います。

 『バイブルカフェでひとやすみ』は、日々疲れている現代人に、肩肘張ることなく気軽に入れるカフェのような本であり、同時にサブタイトルにあるように「ホッとできる聖書の話」に出会えるように工夫されています。

 聖書箇所が三十一編の短編で綴られ、「表題」のメニューを見ると、自分の内側の課題に照らし合わせながら探すことができ、興味をひきつけられます。一編が五分程度で読め、朝食前や通勤途中にもお勧めです。

 本書は、「はじめに」で書かれているように、「父親のような神と、すぐに寄り道をしてしまう子どものような人間」のドラマを中心に「スリリングかつ愛に満ちた聖書の記述の中から」ピックアップされています。

 本書を読み終わると、「バイブルカフェ」のとおりに、聖書の良い香りを楽しめ、通も納得させる、味わい深い聖書を理解でき、そして聖書を読みたい衝動に駆られます。そのことが救いの第一歩となるでしょう。

 未信者の方々に聖書と同時に、この本を薦めてみたいと思わせる本です。活用してみてください。