ブック・レビュー 『マンガ聖書物語
イエスの弟子たちとパウロ』
渡部 和彦
日本福音キリスト教会連合 水戸下市キリスト教会牧師
聖書を分かりたい! はじめの一歩に
「五百円(税別)で聖書が分かる!」これは大変魅力的なことです。使徒の働きはクリスチャンがどのように生きていくのかを知る上でとても大切な書です。聖霊によって教会が誕生し、聖霊の導きによって宣教師が立てられ、福音が宣べ伝えられ、各地に教会が建てられました。そしてその働きは二千年の時を経て、現代へと続いています。使徒の働きをなかなか読み通せない、理解できないという中高生や入門書を探しておられる方にはこの『マンガ聖書物語』はまさにちょうど良い本です。マンガによってテンポよく話が進んでいきます。本書の特徴として、聖書に忠実ということを挙げることができるでしょう。無理な解釈や説明を加えず、聖書自体の流れがよく生かされています。回想シーン、コマの割り方などで、ストーリーの主題、強調点がすっきり分かります。全般にルビが振ってあり子どもから読み進めることができます。
さらに入門書として、最初の教会の歴史や、聖書の周辺的なことがらへと、発展的な要素をも指し示しています。「聖書ものしり百科」の項目は、子どもの理解を前提としながらも、大人にとっても聖書知識の幅を広げてくれます。本書から、さらに注解書、聖書辞典へと進むならば、さらによい聖書の学びができることでしょう。
本書は、使徒の働き全般の流れを無理なくコンパクトにまとめていると思います。したがって、本書で流れをつかんだ後には、聖書本文の使徒の働きをじっくり読むようにすると良いでしょう。そうすると、使徒の働きの流れとともに、本書では圧縮された部分・ステパノやパウロの演説など・に改めて心を留め、聖書を味わうことができるでしょう。また、教会学校教師が使徒の働きを学ぶ際にも役立つことと思います。
「五百円」という本書は受洗祝いや教会学校の進級記念などに適しているでしょう。