ブック・レビュー 『ヴァインの祝福 ディボーションガイド』
斯波 光正
日本福音キリスト教会連合 主都福音キリスト教会 牧師
ディボーションと弟子訓練がみごとに一体となった書
著者のブルース・ウィルキンソン師は、『ヤベツの祈り』で有名ですが、それ以上に聖書全体をわかりやすく教える教師として今、全米で用いられています。本書は、ディボーションと弟子訓練がみごとに一体となった名著といえるでしょう。二十八日分のディボーションが四週に分かれ、それに三日分のエピローグを加えて、全体が構成されています。『ヤベツの祈り』で初心者も含めて多くのクリスチャンの霊的食欲を引き出した著者は、『ヴァインの祝福』で信仰生活の中味について語り、そして本書でそれをしっかりと身につける弟子訓練が自らできるように導いているように思います。ですから日本語でこれらの著書が自由に読めること自体が祝福と言えるでしょう。第一週目は実を結ぶことが強調されており、クリスチャン生活の目的が明らかにされています。読者は結実への求めが起こされることでしょう。第二週目は、実を結ぶために神様がどんなご介入や訓練をされるかが語られます。罪から離れることを主は求めておられるのです。第三週目は、より多くの実を結ぶための刈り込みについて学びます。葉(多くの働き)よりもぶどうの実を愛することが教えられ、優先順位が明らかにされています。第四週目は豊かに、豊かに実を結ぶための主との交わりが教えられます。クリスチャンの燃え尽き症候群からの解決が示されているのです。基本的な弟子訓練、とりわけ霊的日誌を書くこと、主にとどまり続けることとが教えられます。
続くエピローグでは、神のぶどう園における三つの季節として、訓練・刈り込み・とどまる時期が明らかにされています。そして著者は、私たちに三つの季節を通して豊かな実を結び、天国で父なる神様から忠実な僕と呼ばれることを願っているのです。
ディボーションと弟子訓練が一体となった本書を心からおすすめいたします。