ブック・レビュー 『主の約束は朝ごとに』
高田文彦
日本福音キリスト教会連合・千歳烏山光の子聖書教会牧師
この一冊で朝生活は大充実
このところ私は、朝のサイクリングに多少病みつきの感があります。走ること自体は、けっこうな習慣でも、あまり凝ってしまうとコレは重症もの(健康のために始めたハズなのに……)。そんな私の朝生活を再建してくれたのが、本書です。C・H・スポルジョン(一八三四・一八九二年)は、英国屈指の説教者。彼は、「論争の波にもてあそばれて」(本書四頁)という状況下で、この本の執筆に取り組みました。
けれども本書は、時代の傘を越えて、現代の私たちにも鋭く迫ります。なぜなら、聖書は「主の約束」で満ちあふれ、その約束を信頼して前に踏み出すとき、豊かな祝福を受けるという、シンプルかつ骨太のメッセージが、本書全体を貫いているからです。これが朝の爽快さとも重なって、なんとも心地よいのです。
ところで、この名著、二十数年ぶりの新装なので、最近クリスチャンになった方には、初めて出会う新鮮さがあるのでは? そのようなあなたに―朝ごとの聖句と著者のメッセージ(六百字強)が、三百六十六日の日付入りで読める全三七六頁の書籍です(手に取ったその日からスタート!)。
なつかしいというあなたに―装いも新たに登場したこの名作、字も大きくて読みやすく、三九〇グラムの軽量感。今春また、あらたな心でディボーションの祝福の扉を開くのに最良の本と言えます(少々書評の域を出てしまいましたが……)。
私に、落ち着きと、充実した朝生活の大切さを再認識させてくれたこの良書。朝は一日のスタートですから、壮快な心身でありたいのは当然のこと。それは、主のことばによってなされることなのです。
きっとあなたも、聖書の約束に基づく人生の深みに導かれることでしょう。朝型の人も、夜型の人にも、手放せないロングセラーです。