ブック・レビュー 『小さなおいのりのたび』
栢沼みき
日本福音キリスト教会連合 キリスト教朝顔教会 会員
どのように祈ったらよいか。母と子が祈りの豊かさを知る
私は、この本に出会った日のことを、おそらく、ずっと忘れることがないと思います。この本を手にした日に、五歳になる娘が、突然、原因不明の顔面神経まひになりました。とにかく不安で、どう祈ったらよいかわからず、手にした本を、ただめくっていました。これは、私たちが日常生活の中で経験するいろいろな場面における祈りの言葉が、子どもの目線で書かれている「お祈りの本」でした。ひとつひとつの祈りを声に出して読んでいくうちに、神様が私の祈りを助け、何かを教えてくださろうとして、この本を備えてくださったことを感じました。特に、「神さま、まもってください」というタイトルの、「神さま、なぐさめてもらうだけでなく、なぐさめてあげることができますように」という言葉を読んだとき、神様が、私にも娘にも何かご計画を持っておられるという希望が与えられました。
この本に書かれている祈りの言葉は、「こんなふうに祈ったことがない!」というものがほとんどで、クリスチャンホームで育ち、小さなころから祈りを捧げてきた私は、「お祈りなら知っている」と思い込んでいただけであったことに気づきました。今までの祈りは、自分の願いごとを神さまにお話しすることが多かったのですが、祈りは、神様がどのようなお方で、また私に何を願っておられるのかを知ることでもあると教えられました。
毎晩、子どもたちとこの本を読んでいます。今までは、子どもたちに、「何かあったら自分でお祈りしなさい」と繰り返し言ってきましたが、どのような言葉で祈ったらよいか具体的に伝えていなかったことに気づかされています。
そんな子どもたちが、「どう祈ったらよいか」、また、祈りを通して神さまがどんなにすばらしいお方であるかを少しでも知ることができるように、まず私自身の祈りが豊かにされる必要を教えられました。