ブック・レビュー 『心の安息を得る秘訣』
関根弘興
単立・城山キリスト教会牧師/太平洋放送協会常務理事
心を点検し、エンジンを始動するために
「おはようございます。羽鳥明です」。ラジオ番組「世の光」で、半世紀もの間、語ってこられた羽鳥明牧師。まさに元祖「ラジオ牧師」として、日本において放送を通して聖書のメッセージを語るというスタイルを確立した人物です。
そればかりか、日本各地を回り、もっとも多くの人々に、聖書の福音を語った牧師の一人でもあります。
羽鳥師のメッセージの特徴は、日常生活に即したテーマで語られ、平易であり、聖書が約束する救いを実に単純明快に語られるということです。
人間の内面を熟知し、聖書を深く理解しておられる羽鳥師だからこそ、これほど多くの方々に語り続けることができ、多くの方々に聖書からの慰めと励ましを与え続けることができたのでしょう。
そして、今回、『心の安息を得る秘訣』が出版されました。今ほど混沌とした、不安定な、先行きがわからない時代はありません。
そして、私たちの内面を見るなら、劣等感や恐れを抱えて悩み、自分勝手な攻撃的な心の現実に、いらだちを持つこともあります。
本当の「心の安息」はどのように得ることができるのか、いったいその答えはどこにあるのか、これは私たち一人一人の人生の大きな課題でありテーマです。
この本は、だれもが求めている「心の安息」をどうしたら得ることができるのか、という大きな問いに、日常に即した出来事を例にして、わかりやすく説き明かしています。
「心は人生のエンジンです」と語るこの本は、自分のあり方や、人生の価値観、そして、本当の安息を得るための秘訣は何かを、考えさせ、求めさせていくきっかけになるものです。
キリスト教についてあまり知らない方にとっても、クリスチャンの方々にとっても、人生のエンジンである心を点検し、始動する一冊になることでしょう。