ブック・レビュー 『新版 クリスチャンの職業選択』
竹内 豪
日本福音キリスト教会連合・永福南キリスト教会牧師
地の塩、世の光として輝くことを願って
この本はクリスチャンが「地の塩、世の光」として生きるために、そして生き得るように書かれています。著者はキリスト者学生会(KGK)の主事。十五年以上、多くの学生・卒業生の自立、恋愛・結婚、就職活動に寄り添い、彼らの悩みや疑問に注意深く耳を傾け、そこに聖書の光を当て、納得のいく具体的で現実的な助言を与えようと、真摯に取り組んで来られました。
その中から就活支援をまとめたのが本書。五年前に出版され、品切れになっていましたが、再版が待ち望まれていました。学生必読、青年指導に必携の好著です。
人生の二大選択とも言える結婚と職業を前に学生時代はその最後の準備期。すでに神に選ばれ、自覚的にもキリスト教信仰を選択したはずの学生たち。しかし、その職業選択となると、聖書の教えではなく、無自覚、無批判にこの世の教えに立つ姿が見られます。
その現状と背景にある非福音的価値観を分析し、聖書に立つクリスチャンとしてのスタートラインが明示されます。「たまもの」や「みこころ」も聖書から説き直されます。
今、就職氷河期の再来に不安や焦りを覚えながら就活中の方々もおられると思います。その方々は、「就職活動あれこれ」(5章)、「よくある質問」(6章)から読み始めると大いに参考になり、励まされるでしょう。
そして、クリスチャンの敬虔・愛・誠実という神と人と己への信仰姿勢は、世に通用しないどころか、世が必要としていると教えられ、信仰の確信と勇気が深まるでしょう。
この本を通して読者がクリスチャン・マインドを身につけ、地の腐敗を防ぐ塩、世の闇を照らす光として輝いて歩めますように。
「この世に流されず、キリスト教的価値観をしっかりもち、仕事、就職活動という現実をとおして信仰と人格が成長し、実り多い豊かな人生を送ることができるよう、心から願っています」(本文一一六頁)。