ブック・レビュー 『筆とペンでなぞる美しい聖書の言葉』

『筆とペンでなぞる美しい聖書の言葉』
俣木聖子
日本福音教会泉北チャペル教会員

みことばが心に染みこみ、心が躍る

 学生時代以来、筆を持ったことがないと言われる方や筆は苦手と決めている方も多いことでしょう。昔はよく書いたのに、最近は筆を持つなんてわずらわしいとお考えの人にはもってこいのお手本です。練習の手順も親切で分かりやすく、「やってみよう」とやる気を起こさせてくれます。字が下手で、他人に自分の字は見せたくないと感じている方は、この手順に従って練習を進めていけば、必ず上達すること間違いないでしょう。

 「ひらがなが上手になれば文字全体がぐっと美しく見えます」と筆者が書いていますが、どこをポイントにしたらいいのか的確に示されているので、美しいひらがなをマスターできそうです。

 聖書のみことばを読むだけでなく、筆ペンで書き写すことによって、心が落ち着くことに気づきました。書いてみることにより、何倍もの深まりを感じることができました。

 「最近字を忘れて仕方ないのよ」と嘆いておられる方に、「これを練習してみてください、脳が活性化されて、物忘れが減りますよ。聖書のことばが心を落ち着かせて、腹だたしいことや心配が消えます」と書き添えてプレゼントしたら、きっと喜ばれるでしょう。

 聖書の親しみやすいみことばに加えて、プチ解説が興味深く、ノンクリスチャンの方にも、読みやすい内容です。

 私も字を書くのは好きですが、最近は手書きが少なくなっています。書評を頼まれたのを機に、筆ペンで姿勢を正して、みことばをなぞり、書き写しました。何度も丁寧に書いているうちに、みことばが心に染みこみ、心が躍ってくる体験をしました。皆様にも、この体験を味わっていただきたいものです。

 尾崎洋子先生の字には穏やかさと優しさが感じられます。お手本として書き進むうちに、本来の自分の字体の乱雑さが少しずつ正されていくのです。一冊きちんと、練習を続けていけば最後のページを書き終えるとき、あなたの字は、誰かに見せたくなるほど、美しい字に変わっていることでしょう。