ブック・レビュー 『聖書通読にチャレンジしよう』
みことば蜜より甘く

『聖書通読にチャレンジしよう』みことば蜜より甘く
菊池盛夫
東京キリスト教学園 管財課長

聖書通読1000回!そのロマンを語る

 この度、一九九九年に発行された『みことば蜜よりも甘い』の増補改訂版が出版されると知り、大変喜んでいます。著者、下川友也牧師は、はるかに壮大で、そして無謀とも思える、聖書を千回通読するという目標をもっています(二〇〇五年八月現在で五百二十二回)。その聖書通読が楽しくて楽しくてしょうがないという姿を間近に見てからは、その目標を影ながら応援している者のひとりだからです。

 東京基督神学校の校長の責任をもつ忙しさの中で、どのように聖書通読をすればよいのかという従来のヒントに加え、今回の増補では、二〇〇四年に、校長を退任され北海道の日高に行かれ、時間がたっぷりあるなかで知った聖書通読の難しさについて加えられています。二種類の時間を管理しての通読、この難問を見事に解決されています。

 忙しいことを理由にし、私ができる聖書通読はせいぜい一年に一回。しかも、毎日決められたペースで読む方法なんて、私にはできません。

 いつも、今年は聖書通読するぞ! と漠然と心に決めます。気持ちがのった時に読み進め、気が進まないと少し休み、追い込まれてまた進むという、聖書通読の邪道を歩いています。

 恥ずかしながら三十年ほど信仰生活を続けていますが聖書通読は六回です。リビングバイブルは、途中で挫折。新共同訳聖書 で一回、口語訳聖書で二回、新改訳聖書 で三回の合計六回。聖書通読企画したが、途中で挫折したのが十回くらい。

 しかし聖書通読をすることによって、聖書の全体像を理解するのに非常に役立ちましたし、旧約・新約の流れをつかむのに有益でした。

 生涯で千回の聖書通読は、「何もそこまで」と一見無駄に見えるようなことです。しかし、それに情熱を傾けやり通す姿勢にロマンを感じます。だからこそ、著者のチャレンジに驚きつつも、エールを送っているのです。