ブック・レビュー 『 神のことばで祈る 』
安達 賢二郎
西日本福音ルーテル教会 青谷福音ルーテル教会牧師
みことばで祈る「祈りの王道」の力
私が「こうなれたらなあ~」と願っているひとつの祈りのあり方は、御霊に導かれていく祈りの中に神のことばが自然に出て来て、みことばに導かれた祈りのことばが豊かに生まれていくようになることです。それだけに、私にとって『神のことばで祈る』という本書には心惹かれるものがありました。著者は、アメリカで女性たちに神のみことばを愛し、それに従って生きることを教える・リビング・プルーフ・ミニストリー・を創立して、女性のための聖書研究の本を多数執筆し、知られている女性です。
本書は、著者自身が失敗、弱さ、様々な束縛を経験していく中で「聖書のことばで祈る」という祈りの王道がどんなに力あるものであるかを知った、生きた証しの書でもあります。
とは言え、『聖書語句辞典』か、『項目聖書』のわたくし版のように、聖書箇所の引用が頻繁になされているので、すらすらと読むことは少し難しいように感じられます。そこで著者の一番伝えたい真理が、「はじめに」で詳しく記されていますので、まずそこを読み、次に最後の章「さあ、あなたの番!」を読まれることをお勧めします。その後で、本文の「拒絶されたという感情を克服」「依存症を克服」「離れない罪意識を克服」「喪失から来る絶望を克服」「うつ状態を克服」などの十四項目の克服を関心のあるところから読まれるといいと思います。
著者はこう言っています。「聖書語句辞典や項目別聖書検索などを使って、あなたの心を占領して豊かないのちを奪っている問題に関連する聖書箇所を探してください。……関連のある聖書のことばが見つかったら、それを祈りに書き直して、使い始めてください」と。
著者の勧める祈りの仕方で、チャレンジしてみてください。「聖霊の通路」である「みことばと祈り」をセットにして、具体的に祈ることによって、私たちは「神のみこころにかなう願いをするなら、神はその願いを聞いてくださる」という主の約束を確信することになるでしょう。