ブック・レビュー これまでの歩みを見直すヒント
『神を信じるってどういうこと?』――タイトルを見れば、まだ神を信じていない人たちのために書かれた本であることは、容易に理解することができます。さらに、もう一歩踏み込んでその問いかけの意味を考えてみるならば、「神を信じること」すなわち、神を信じて生きるとはどういうことなのかを示している本でもあり、すでに信仰者として生きている人たちがその生き方をもう一度確認するために有益な一冊である、と受け取ることもできます。原作者も冒頭「はじめに」で「ずっと教会に通っていたけれどわからなかった疑問、福音の中心が整理され、胸のうちがすっきりとした」、「読みやすいですが、軽い内容の本ではありません」と記していますが、実際に読み進めていけば、まさにそのとおりだと実感することができると思います。
本書の前半部分は主に人間の価値観や世界観と偉大な神との関係について、人間の罪とイエス・キリストの十字架と復活について、そして後半部分は人間の理解を超えた神のご計画の中で天への希望に向かってこの世でどのように生きるべきかが記されています。特に、「フライパンに神様を無理やり乗せる方法」という単元では、自分の思考のフライパンを壊して神を受け入れることが記されていますが、このことはまだ神を受け入れていない人にも、すでに信仰を持っている人にとっても、これまでの歩みを見直すのによいヒントを示してくれているのではないかと思います。また、駆け足ではありますが、旧約の時代からイエス・キリストが誕生するまでの歴史について記されていることも、聖書全体の理解を深めるよい助けとなることでしょう。
マンガですから、大人の方は多少敬遠したくなる気持ちもあるかもしれませんが、マンガならではのイメージのしやすさ、そして何よりも内容については共感できることがたくさんあるので、ぜひ一読されることをお勧めします。そして、プレゼントとしてもご活用ください!