ブック・レビュー ポケット・ディボーション・シリーズ
『主とともに歩む』

ポケット・ディボーション・シリーズ『主とともに歩む』
中島 秀一
日本イエス・キリスト教団荻窪栄光教会主管牧師

豊かな人間洞察から生まれた霊想書

 このたび、福澤満雄氏によるポケット・ディボーション・シリーズ第三冊目『主とともに歩む』が出版された。先に海外の信仰偉人ハドソン・テーラー、ジョージ・ミュラー、チャールズ・スポルジョン、チャールズ・フィニー、R・A・トーレー、アンドリュー・マーレーの名説教をまとめた六冊が出版されている。その後、本シリーズは好評を博し、日本の説教者版が発行された。その第一冊は本田弘慈著『十字架の奥義』、第二冊は佐藤彰著『新しい旅立ち』である。

 ディボーションの重要性をいまさら声高に叫ぶ必要はない。昔から密室、静思の時、QTなどと呼ばれ、キリスト者生活の基本として訴えられてきた。しかし、実際には多くのキリスト者が困難を覚えているのではないだろうか。

 ところが、このシリーズはその困難を見事に解決している。特色として、信仰のエッセンスを一日十分、一か月で体得。テーマを絞った内容の濃いディボーションを実現。日常の生活にすぐ適用できる実際的な内容。コンパクトなサイズで、持ち運びにも便利などがあげられている。

 著者は、現代日本を代表する大衆伝道者であり、大いに用いられている神の器である。題名は『主とともに歩む』であるが、内容は「主の祈り」を中心としたキリスト者の祈りに関する霊的であり、実際的で、温かみのある名著である。

 これは、著者の神の御前における真摯な信仰、ご夫人やお子様に対する温かな家族愛、大衆伝道者として体得した豊かな人間洞察などから生み出された優れた霊想書である。

 著者とは同年であり、知人であり、総動員伝道委員会では同労者である。二〇〇六年の「東京イースターの集い」には講師として用いられる。この名著が一人でも多くの人々に読まれ、キリスト者の霊性が整えられるように、また、このシリーズの次作が早く、そして一冊でも多く出版されることを期待している。