ブック・レビュー レフトビハインド8
『ザ・マーク』

レフトビハインド8『ザ・マーク』
池田 恵賜
日本福音キリスト教会連合 本郷台キリスト教会 ユース牧師

「あの人物」に劇的な変化が!神の愛と憐れみを知る

 「レフトビハインド」シリーズ第八巻が発売された。「ザ・マーク」とは、黙示録一三章にでてくる、獣の刻印のことである。

 終末の時、生き残っている信者たちに対して究極の選択が迫られる。神を信じないで生きている人にとってはなんでもない選択だが、唯一の神を信じて生きる者にとっては、サタンか、それとも神の側に立つのかの選択だ。その刻印を拒否することは、すなわち殉教を意味する。日本でも、かつて「踏み絵」という選択を迫られた時期があった。生きるために妥協するのか、死ぬことになっても信仰を守り抜くのか。現代の私たちには想像しがたいが、聖書はやがて、そのような困難な時期が来ると明言する。

 本書では、その困難な時期に、刻印を受けるよりも、むしろ殉教を選んでいく信者たちの姿が描かれているが、涙なくしては読めない。「もし、自分がその場にいたら、同じように行動したい。」そんなことを思いながら、自分の信仰が少しでも強められたらと願う。

 さて、物語はそのような緊迫した状況で進められていくが、ついに「あの人物」に劇的な変化が起こる。具体的な内容については読んでからのお楽しみとしたいが、ここで語られているのは、神はどのような人でも造り変え、救いを与えてくださる、ということである。これは、終末が近い現代に生きる私たちにとって大きな希望であり、力である。

 先日、教会で「うちの主人は絶対に救われません」と言っていた女性のご主人が救われた。神の愛と憐れみは、どのような人にも通用するのである。クリスチャンがそれを止めてしまってはいけない。再臨がくる最後の時まで、希望を持って福音を実践していきたい。

 終末論について様々な解釈もあるが、少なくとも、この「レフトビハインド」シリーズは、教会の若者たちが聖書に興味を持つのに一役買っている。まだお読みになっていない方は、シリーズ一作目からの一読をお勧めする。