ブック・レビュー 世代を超えて楽しめる聖書のことばが隠れたパズル!
岩井 基雄
日本福音自由教会協議会 清瀬福音自由教会牧師
幼いころから聖書に親しむことは素晴らしい恵みだ(Ⅱテモテ3・15参照)。そのためには様々な工夫が必要だが、だれでも楽しめるパズルは素晴らしいアイデアだと思う。個人でも、家族や仲間と一緒にでも楽しむことができ、神のことばである聖書に自然に触れていくことができる。
一九九七年から二〇〇九年までの十二年間「百万人の福音」に掲載されてきた「百万人のパズル」が今回一冊の本となって出版された。巷でも「クロスワードパズル」本の愛読者が多い中、聖書のことばを盛り込んだこの本は、年代を超えて、だれでも楽しめる。実際、「百万人の福音」の読者からの感想文に小学生からのお便りもあったようだ。聖書のことだけではなく、一般の知識や知恵を駆使していくだけに親や祖父母の知恵や知識の出番も多いだろう。
中身はとても整理されていて、各回のテーマがまた楽しい。「今日は、なんの日?」「四季いろいろ」「キーワードいろいろ」と三つのステージがあり、聖書に関するテーマも聖書の基本から、クリスチャン生活に関することまで、やはりステージが少しずつあがっていく。しかも、毎回のパズルに難易度が示され、チャレンジ心をくすぐる。
さらに、東京基督教神学校の実践神学ゼミ生による「ふむふむコラム」では、聖書や信仰生活の色々な疑問に答えてくれる。神学生たちにとっても、自分の経験や思い、また子どもたちや人々の思いを想像しながら、書き進めたのであろう。丁寧な説明が随所にある。
パズル作者の黒須言の葉さんは、病床でこのパズル創作を開始されたと著者紹介にあった。痛みの中で、みことばに癒され、そしてみことばの楽しさを多くの人に届けたいと願ったのであろうか。痛みの中にあるとき、さらに神のことばは心の深みにまで届く。病床の方や被災地の方にもよいプレゼントになるかもしれない。
子どもからご年輩の方まで、ちょっとしたプレゼントや教会やキャンプでのゲーム、ミッションスクールの自習課題(岩井はぜひ使わせていただきます)、そして宣教のためにも豊かに用いられるに違いないクロスワードパズルだ。