ブック・レビュー 愛ちゃんは9才、皆に愛されて
川田 泰生
元ウエストミンスター日本人教会会員 日本キリスト教会西宮中央教会会員
小口愛子ちゃんは二〇〇二年四月に生まれました。
私たちウエストミンスター日本人教会(在アトランタ)のメンバーは、小口夫妻とともに愛ちゃんの誕生を喜び合いました。
一年経ち、二年経ち、愛ちゃんの成長が遅れていることに気づき、二才半のときの精密検査でミトコンドリア病と診断されました。「なぜ、どうして?」という両親の驚きと深い悲しみを私たちも共有して、ともに愛ちゃんのために祈り続けました。苦悩と絶望の淵から、小口ちひろ姉が聖書のみことばによって、すべてを主に委ねて、信仰を持って立ち上がっていかれる姿をつぶさに拝見して、周りの私たちも大きな慰めと励ましを与えられました。
ちひろ姉がいちばんつらかったときに支えられた聖書のことば、小さな紙に走り書きした詩を、教会の交わり誌「小枝」に掲載したものをまとめたものが、このたび稲毛海岸教会・藤田栄一夫妻のサポートにより、詩集『君は愛されるため生まれた』として発刊されました。
この詩集には十数枚の写真も掲載されており、愛ちゃんの成長の記録であるとともに、ちひろ姉の信仰によって昇華されたミトコンドリア病との闘いの記録でもあります。
アトランタ在住の大林真由姉がこの詩集に感動して、「詩の朗読会」をアトランタ近郊で二回、日本に帰国された後、東京近郊でもすでに二回開催され、大きな反響と祈りの輪が広がっています。
ちひろ姉はこの詩集の結びで「一人でも多くの方にこの本が読まれ、一人でも多くの方がみ言葉にふれ、励まされる恵みにあずかれますように」と述べておられます。
いま信仰を求めておられる方、いろいろな問題をかかえて苦悩のなかにある方、慰めと励ましが必要な方々に是非読んでいただきたいと願っています。
「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい。これが、キリスト・イエスにあって、神があなたがたに望んでおられることです」
(Ⅰテサロニケ 五章一六~一八節)