ブック・レビュー 教会とは、何が目的なのか

 『5つの目的が教会を動かす 』
尾山清仁
聖書キリスト教会・東京教会 主任牧師

『5つの目的が教会を動かす』は、出版されて以来、英語圏ばかりでなく、ほかの言語圏においてもベストセラーになりました。さらに、翻訳された数十か国において、驚くべき成果が報告されています。この書物が明らかにした聖書の原則を実践した教会は、健康になり、成長し始めたというのです。それは、あらゆる文化圏において起っており、その原則が普遍妥当性をもっていることが証明されたということです。
本書は、文化や歴史の違いを超えて、聖書の教えている「教会とは何か」、そして「どのように成長していくものなのか」ということを大変わかりやすく、しかも具体的に教えています。この書物は、教会運営に現代的マネージメントを持ち込んだものではありません。これは、聖書が教えている〝五つの変わることない神様の永遠の目的”を明確にし、それらがどのように関係し合い、教会の本来の目的を達成していくのかを明らかにしたのです。
どのように適用していくかは、それを援用する読者が決めることですが、これらの五つの目的をバランスよく実践していくなら、どんな教会でも成長するというのです。この二十一世紀においても、聖書の原則に基づいて教会形成をしていこうとする教会リーダーにとって、大きな助けとなる重要なガイドブックであると私は確信しています。
過去五年間、アフリカやヨーロッパ、アジアなど世界各国(北米を除く)で、三万二千人以上の牧師たちにこの原則を教えてきた「パーパス・ドリブン・ミニストリー」の牧師によれば、この五つの原則を導入した教会では、礼拝出席人数が最低でも三割、平均して倍に増えたそうです。
日本での宣教は困難であると言われますが、もし、この書物で言われている聖書的原則を実践していくなら、必ず何らかの実を見ることができるでしょう。なぜならこの日本でも、すでにこの書に学んで実践している教会の中で、礼拝出席人数が倍になっている教会がいくつも現れてきているからです。ぜひ、一読をおすすめしたい一書です。