ブック・レビュー 日々感動の宝庫が開けるデボーションブック
赤江 弘之
東京キリスト教学園 理事長・日本同盟基督教団 西大寺教会牧師
かねて好評の「恵みの霊想」シリーズ(全十冊、品切れ)著者によるデボーションブックが出版されました。私は以前から、一年間通しての新しいデボーションブックが出されることを望んでいました。それも、日本人の牧会者によるものが欲しかったのです。その期待に応える名著です。
過去十年にわたる平和台恵教会の毎週の週報メッセージの中から、いのちのことば社の出版部のご労によって、時宜にかなう三百六十六編が見事に編纂されています。私は昨年の秋に著者から贈呈された本書を、日々の霊想の一冊に加え、従来の聖書日課とともに味読してきました。ですから、二〇一一年も毎日の祈りが楽しみです。
著者は説教者として定評があり、文章家としても非常に優れた方です。自ら熟読玩味した聖句から受けた感動の恵みが、聖書全体の豊かな広がりの中で解き明かされています。何よりこれらは、これまで多くのクリスチャンたちを励ましてきた恵みの滴なのです。
著者の祈り深い思想と経験豊かな社会性に裏打ちされた解説で、みことばの輝きが読む人の道を日々照らしてくれることでしょう。俗な表現で恐縮ですが、読み始めると吉持先生のキレとコクのある文章の虜になるのではないでしょうか。
本書に対する著者の思いを「まえがき」からくみ取っていただきたいので、ここに引用します。「言うまでもなく私の霊的主食は聖書ですが、主食とともに副食のデボーションブックもたましいの養いには不可欠な活力源です。きょうから本書も皆様のデボーションのお仲間に加えていただけるなら、こんなうれしいことはありません」
本書の用い方は、個人の聖書日課のテキストはもとより、スモールグループでの恵みの分かち合いや、弟子訓練のテキストにすることなど、様々に有効でしょう。また、クリスチャンへのプレゼント用にも、求道者、未信者の方々へもお勧めできると思います。贈られた方は、「ありがとうございます。本当に日々の宝です」とお礼を言われることでしょう。