ブック・レビュー 日本に生涯をささげた家族の物語


赤江弘之
日本同盟基督教団 西大寺キリスト教会主任牧師

言葉にならない感動に包まれています。だから書評が書けません。これが拙いながら本書の魅力を最大限に表現する私の読後感です。
「素晴らしい! ぜひ読んでください」とだれにでも言いたい思いがあふれてきます。著者や主人公を知っている方も、知らない方にもお薦めの本です。クリスチャンであろうとなかろうと関係なく読んでいただきたい本です。よい本に出会いたいと思っている人に最適です。
本書の内容は、戦後初期の宣教師夫妻の愛の物語です。けれども、そこらへんにある甘っちょろいラブストーリーなんかではありません。生涯懸けて使命に生き、ビジョンを実現した仕事人間の猛烈な人生ドラマが描かれています。成功者に学ぶためのビジネスマンブックにも匹敵するアイデアがあふれています。単身赴任の方や仕事と家庭の両立に心を砕く共働き夫婦にも大いに参考になるでしょう。
クリスチャンにとって必読の書物です。かつての偉大な宣教師の伝記を、今の身近な人に見いだすでしょう。誕生と生い立ち、学業と二人の出会い、宣教師の召命のプロセス、家族との別離の悲しみ、日本への派遣と結婚、四国高松へ、東京そして再び高松、九州へと舞台は広がります。愛し合う夫婦・子育ての苦心など家族について、また、働きの革新的な戦略と大胆な構想の展開に大いに啓発されることでしょう。牧師・宣教師が学ぶべき宣教学的、実践神学的ケース・スタディーの宝庫です。
日本と日本人を愛し、日本に生涯をささげた家族の物語です。日本の教会と日本のクリスチャンはこの本を読んで、宣教師の働きにもっともっと感謝すると思います。あなたは、本書のユーモアとウイットに富んだ数々のエピソードにきっと笑いが止まらなくなるでしょう。私は本書が真実であることの多くの証人の中の一人です。ラルフとステラを心から尊敬します。