ブック・レビュー 私は祝福を見た


西本一雄
蕨福音自由教会名誉牧師

このたび、チョン・ピルド先生の『神が共におられる人生の祝福』が出版されましたこと、大変喜ばしく、主に感謝します。韓国屈指の教会の開拓から今日に至るまでの数々の試練、それに倍する恵み、祝福、祈りの実の確かさを共有できることは、何ものにも代えがたいからです。
私は水営路教会のG&G(Grace&Growth)セミナー(牧会者セミナー)に二度出席しました。大変ハードなスケジュールでした。同時にそれを受け入れてくださる教会員の犠牲の大きさに驚きと感動を覚えました。しかも皆さん一様に恵みに溢れて奉仕されていたのです。その秘訣は、先生の指導とその信仰の姿勢にありました。それが惜しみなく記されています。第二章「信仰の成長をもたらす七つの鍵」は単純明快で、すべてのクリスチャンにとって基本の〝キ〟であります。奇をてらうようなこと、世にこびるようなことはひとつもありません。近年は、信徒も牧師も頭でっかち(?)理詰めに過ぎる傾向が見受けられますが、初心に立ち返り、敬虔と聖潔を希求する必要を教えられます。
また、「神様のためのビジョンと夢であれば、なるべく大きく立ててください」(一三〇頁)とあります。挑戦に聞えますが、自分の尺度で物事をはかって、神さまを過小してしまっている罪を示されます。この本では、瞬時に信じがたいような奇蹟の数々の事例が語られます。しかしそれはまぎれもない事実なのです。私は水営路教会を訪問して、ここに書かれていることが、先生の祈りに主が応えてくださったものであることを目の当たりにしました。しかも思った以上の大きな祝福が与えられてきたことを見てきました。「我々クリスチャンに試練が迫ってくるのは、祈りなさいという神様からのサインです」(三二頁)。このように平坦な語り口で記され、手に取って一気に読めるものです。
人は易しいことを侮る向きがありますが、それは誤りとわかります。ことの難易ではなく、教えられたことを生活に適用するか、実践するか否かなのです。これほどまでに純粋に信じ切る先生の姿にただただ脱帽、敬服させられます。すべての方がご一読くださることをおすすめします。