ブック・レビュー 見て、聞く日本におけるキリスト教近代史

 『DVD 聖書を読んだサムライたち Ⅱ 』
姫井 雅夫
日本基督教団赤坂教会牧師
総動員伝道代表、伝道団体連絡協議会会長

最近、テレビドラマでも視聴率の高いのは歴史モノ。韓流ドラマも同様のようだ。なぜそうなのだろうか。近代化が進み、やや頂点にたどり着いたかなと思う時代に、頂点からの下降線が始まる。今がそのときのような気がする。先行き不安の中だからこそ、一般の人々も歴史をひもとき、「あのようにして時代を切り開いてきたのだ、そうだ、下を向いていてはいけない」と、希望を見出そうとしているような気がする。東日本大震災からの復興もそうだ。震災の後遺症だろうか、あらゆる分野での停滞がみられる。這い上がらねばならない。キリスト教界も同様であろう。
近代化に向かっていた時代に、神によって起こされた4人のサムライ ―ジョン万次郎、新島襄、福沢諭吉、新渡戸稲造。彼らに共通していたのは、宣教師との接点であり、海外生活であった。不思議な神からの召し(calling)があり、挑戦してみよう(challenge)との思いにかられ、海外へと向かう。彼らの内に燃えていたものは、同国民への愛(compassion)だった。
低迷しているキリスト教界にいるお互いにとっても、このたびのDVDは、大きな励ましになる。
「あの時代に、よくやったものだ」と感心しきりだが、現代の暗闇を突き破るのも同様の信仰と気迫ではなかろうか。神からそれをいただきものだ。
このDVDを四人の人物に合わせて、四回に分けて、いろいろな会合で視聴してはいかがだろうか。そして、懇談の時をもつ。そこから新しい宣教の情熱が湧いてくるような気がする。
私の教会でも実施するよう提案しようと思う。これからの日本宣教(日本での伝道活動、海外宣教も含めて)と、日本における教会進展(教勢の伸びと教会数の伸び)のために心を燃やす若い世代の興起を期待したい。
このDVDが大いに用いられることを願う。