ブック・レビュー 誕生日にプレゼントする小さな本が三冊!


片岡栄子
クリスチャン・ライフ成長研究会

三冊の小さなお誕生の絵本、だれに贈ろうかなと、いろんな人のことを思い巡らしながら眺めてみました。
『もしも きみが ライオンだったら』これは パパを亡くしたあの子にあげたい。「弱さのなかでやさしさをみつけて 小さなこえに耳をかたむけ」「あしもとにあるしあわせをしって だれともくらべないたからものを手にいれ」てほしい幼いあの子に。高い高いをして遊んでくれた優しいパパの声が聞こえてきそうな絵本だから。
『A Special Day』は、忙しいのにいつも人のお誕生祝いのためにいろんな趣向をこらしてくれる人。「自分の誕生日なのになんとなく過ごしてしまったり……」「自分の誕生日なんて そんな特別なことじゃないもの」って感じているあの人に。「あなたの誕生日はわたしにとって お祝いをすべき特別な日!」「いのちが与えられたことに『ありがとう』『あなたがいてくれて ありがとう』と」伝えるために、ピンクの花束と一緒に手渡したいです。
『それでも言うのだとしたら』は、「『おめでとう』が、じつは苦手。言うのも、言われるのも」から始まります。触れたいのに、触れると壊れそうな人、 愛する妻を亡くしたあの人に贈りたい。「わたしの中からは……砂浜の砂つぶのように あふれていたはずの たくさんの『おめでとう』が潮が引くように消えてなくなっていった」「SAYONARA」は、「漢字で書くと〈左様なら〉、『もしも、そうならなければならないなら……』という意味なのだと知った」「だから、それでも『おめでとう』と言うのだとしたら……。そのおめでとうは、わたしのおめでとうは、決して、軽くはないんだよ。〝生まれてきてくださってありがとう”〝わたしに出会ってくださってありがとう〟そう言ってることなんだよ」と伝えたいから。両手でそっと差し出したい一冊です。

『もしも きみがライオンだったら』
ねんぶつ あきとし 著

『A Special Day』
かがゆかり 著 ののこ 絵

『それでも言うのだとしたら』
シェナンドウ波留子 著

A6判 945 円
フォレストブックス