ルケード大研究 『ザ・クロス』─イエスはなぜ十字架を選んだのか─ ちょっとさわり読み
物語は年代・国境を越えて |
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作品から人柄まで徹底的に伝えます! |
あなたの罪状リストに目をとめた……
イエスの手と十字架の木のあいだには長いリストがあった。ぼくたちが犯したあやまちのリストだ。情欲と嘘。貪りの刹那と浪費の歳月。ぼくたちの罪のリスト……。
(…中略…)あなたの罪はイエスによって「ぬぐい去られた」のだ―「神はあなたのすべての罪を赦されました。神はずっと私たちの頭上にのしかかっている、破られた十戒の証書をすべて取りのぞき、十字架に釘付けにして完全に破棄されたのです」(コロサイ人への手紙2章14節、私訳)。
だからこそ、イエスは手を閉じられなかったのだ。あなたのリストを目にされたからだ。なぜ、イエスは抵抗されなかったのか。あなたのあやまちの債務証書を―このリストを、目にとめられたからだ。主はこれらの罪の代価が死であることをご存じだった。これらの罪があなたから出たものであることを知っておられた。そして、あなたのいない永遠など考えられないと思われたから、釘打たれることを選ばれたのだ。
槌の柄を握った手は、ローマの歩兵のものではなかった。
槌をふりおろさせた力は、怒れる群衆のものではなかった。
死刑の判決は、嫉妬に狂ったユダヤ人のくだしたものではなかった。
イエスご自身が、十字架の釘を選ばれたのである。
(第4章より抜粋)