レイプ被害から立ち上がる 性暴力サバイバー達の素顔
キャレン・コールマン
別居中の夫にナイフで脅されレイプされた。DNA鑑定がレイプ事件のカギになるので、自ら病院へ行き検査をしてもらう。だがドクターはレイプ検査をしたことがなく、彼女がドクターに検査の仕方を教えなければならなかった。以来、彼女はドクターなどにレイプ検査を教える専門家として働いている。
アーサー・オースティン
ストリートチルドレンのための奉仕活動で有名だった神父から性的虐待を受けた。彼のほかにも行き場のない少年達が犠牲になっていた。30年後、虐待があった場所に戻った彼は、ドアのところで泣き崩れた。現在、キャンプ施設になっているその小屋の壁には、子供達の手形が付けられていた。
ディー・アン・ミラー
牧師の夫とアフリカで宣教中に、共に働いていた牧師から性暴力を受ける。教会連盟の本部へ訴えるが、逆に彼女の家族が責められて団体から追い出された。その後、彼女は本を出版し、教会内でのセクシャルハラスメント防止活動を続ける。
フィル・サビアノ
通っていた教会の神父により、11歳から13歳の間、性的虐待を受ける。1993年、同神父は、他の子供たちへの性虐待の罪で275年の刑を受けた。
大藪順子プロフィール
1999年、アメリカで新聞社のフォトグラファーとして働いていたが、レイプの被害に遭う。2001年、プロジェクト「STAND:性暴力サバイバー達の素顔」を立ち上げ、男女70人を撮影、取材をする。現在、フリーのフォトジャーナリストとしてそれ以外の分野でも活躍するほか、全米性暴力調査センターの名誉理事、幼児虐待防止対策機関の役員を務める。夫と娘と共にアメリカ・ネブラスカ州在住。