ロイドジョンズの魅力 [3]お勧めしたい10冊の本(1)
櫛田節夫
神戸聖書教会牧師、西日本宣教学院理事・学院長
どの本もお勧めしたいが、まず十冊を選んで読者に紹介させていただく。
- 『山上の説教』上下
(聖書図書刊行会)品切中 - 主イエスの「山上の説教」を著者が五十歳代の最も充実期に鋭さと確信とで解き明かした慰めに満ちた各三十回の説教。訳者の井戸垣彰師自身が本書にある恵みと真理によって大きく変えられたという。
『試練の中の信仰』
(聖書図書刊行会)品切中- ハバクク書の講解『恐れから信頼へ』も含む。詩篇七三篇の十一回、ハバクク書から六回の連続講解説教。試練の中でくずおれそうになった著者アサフが恵みによりどのように堅い巌の上に足場を据えるに至ったかを見事に解き明かした説教。説教者かつ生涯最新の医学の学びを維持した著者ならではの霊的患者を的確に診察。みことばの上に信仰の足場を築かせる名説教。
『ロイドジョンズ ローマ書講解 3・20─4・25 贖罪と義認』
(いのちのことば社)二九四〇円- 卓越した講解説教者による福音の核心の解明。ローマ書3章25、26節は新約聖書の心臓部、それを三回の説教で明快に解き明かす。圧巻である。「確立された律法」の解明は鮮やか。「神に栄光を帰す信仰」は信仰の本質を解き明かして余すところがない。
『神との和解、人との平和』
(いのちのことば社)品切中- エペソ書2章の深い綿密な講解説教。罪と咎のうちに死んでいた私たちがどのようにして主と共に生かされたか、神の選民と言われたユダヤ人と異邦人がひとつとしてキリストにあって新しく造られ神と和解させられたかを、驚くほどの明快さと恵みにあふれたことばで語る。
『キリスト者の一致』上下
(いのちのことば社)品切中- エペソ書4章の講解説教。 キリスト者の一致は新生して救われたときにすでに与えられている。その一致をどのように妨げずに豊かなものとしていくかを聖書を綿密に講解しつつ語る。今日のエキュメニカル運動のどこに根本問題があるかを明快に指摘して進むべき方向を指し示す。「この学びが多くの当惑し混乱したキリスト者たちを助けるために神に祝されることを祈るのみである」と著者は書いている。
『教会の一致の基礎』
(キリスト者学生会)品切中- 本書は今日のエキュメニカル運動に対してまずその中心テキストとされるヨハネの福音書17章とエペソ書4章の綿密な検討をする。そのうえで真の教会の一致にはどんな要素が必須であるかを示す。
『キリスト者の戦い』
(いのちのことば社)品切中- エペソ書6章10節以下の講解説教で、対悪魔・悪霊との戦いを、聖書全体の大きい文脈から大局的に見つめ、さらに各特定分野へと展開していくことで、読者に悪魔の油断ならない策略のすさまじさを知らせるとともに、目を覚まして主とみことばと祈りによって強められ戦いを進め勝利するように促す。
『霊的スランプ』
(いのちのことば社)品切中- 原著名は『霊的スランプ・その原因と癒し』である。著者は二十三歳にしてロンドンの最古最大の聖バーソロミュー病院の新進気鋭の医者として宮廷侍医ホーダー卿の主任臨床助手となり、二十七歳のとき召命を受け卓越した説教者となるも、生涯にわたって最新の医学への関心を維持した。霊的な医者の洞察力に満ちた目で信徒の霊的なスランプの原因を全方位から診察し、みことばの深い理解と洞察から的確に癒しを提供した二十一回の名説教。