世界一弱いお父さんからのメッセージ 人生の目的

人生の目的

 昨夏、西村さん一家は、日本テレビ系列の「二十四時間テレビ・愛は地球を救う」に出演した。そこで西村さんは、「本を書きたい」という夢を語った。子どもたちへのメッセージとして。

 その本『神様がくれた弱さとほほえみ』は、今夏、西村さん夫妻の結婚記念日に合わせて刊行される。かろうじて動く左足でコンピュータを操作して綴られた、軽みさえ感じさせる明るく前向きな文章からは、西村さんが得た豊かな世界をうかがい知ることができる。

パソコンを操作する西村さん

子どもたちへのメッセージ と足で文字を少しづつ選びながら文章を綴った

 「私は病気と闘うな、とは思いません。現代医学で不治とされたとしても、治癒した例はいくつもあります。治る希望を持つことも大切です。

 ただ、私の場合、自分の限られた時間、エネルギーを、治ることだけに使わないで、生活全体にうまく配分しようと考えました。例えば、家族との日常生活、趣味、人に会ったり等々……。

 闘病にはものすごいエネルギーがいります。病気にもよりますが、治療した後、疲れ切ってグッタリ。

 たとえすべてを犠牲にして勝ち取れた健康だとしても、もしも幸福な人生を過ごせなかったとしたら。犠牲にしたものの価値の大きさに気がつくことになります。

 人生の目的は、健康で長生きすることではありません。もっと内面的、精神的、霊的なことが大切です」

 「無駄なものがそぎ落とされて、はだかになったたましいが感じたものは、人のぬくもり、共にいる幸せ。
私の幸せ、ありえない。あるのは、私たちの幸せ。私のいのちが、パッとはじけて、ひろがりました。
共にあるいのち。共にいる喜び。そしてイエスと共に」

(編集部 山口暁生)