世界一弱いお父さんからのメッセージ 順風満帆な日々
順風満帆な日々
小学四年生の時、腎炎で一年と数か月間入院し、それがきっかけでキリスト教と出会ったという西村さん。欧米文化とその中にあるキリスト教へ漠然とした憧れをもち、教会に通うようになったのは、中学一年の時だった。やがて牧師を志して関西学院大学神学部に入学したが、在学中のボランティア活動の体験の中で、「牧師の夢もすばらしいけど、目の前にいる人々を助ける仕事にも価値がある」と福祉に進路を変更し、神戸聖隷福祉事業団に就職した。西村さんは、身体にハンディを持つ人が生活する施設「真生園」や、知的にハンディを持つ若者の訓練施設「神戸光生園」で、介護や訓練の仕事に忙しく携わる中で、いつも「障がいを負った人々がそれを受け入れていくプロセスに自分がどうかかわれるか?」「クリスチャンワーカーとして何ができるのか?」と自問していたという。
一九九〇年に「イコール パートナー」である雅代さんと結婚。まもなく長女・佳奈ちゃんが誕生。二年後には長男・光くんが生まれた。
男女平等がモットーで、育児や家事にも積極的に参加する子煩悩な父親だった西村さんは、ここで大きな決断をする。十か月の育児休暇をとったのである。兵庫県下の民間の男性としては初めてのケースで、地元の新聞やケーブルテレビにも取り上げられた。
やがて次男・コギトくんが誕生。すべてが順風満帆だった。