今、子どもたちに伝えたいこと
「いのち語り隊」からのメッセージ ◆いのちのもと、男女の身体

助産師である永原さんは、赤ちゃんが産まれたときの体重は平均三キロ、身長は五十センチであり、生後すぐの赤ちゃんでも見えており、聞こえており、お腹の中の記憶もあると説明。
「いのちのスタートは、とがらせた鉛筆で“点”と書いたぐらいの大きさです。やっと見えるくらいの点のいのちがお腹に宿って、赤ちゃんに成長していきます。では、なにがこの点のいのちになるのでしょう。それには二つのいのちのもとが必要です。一つが精子、もう一つが卵子です。このいのちのもとがある生殖器と、いのちを育てる乳房はプライベートゾーンと言って、特別に大切な部分です。乱暴に扱ったり、簡単に見せたりしては絶対にいけません。ここを見せろとか、触らせろとか言われたら、大きな声を出して逃げてください」と性犯罪への警鐘も述べつつ、男性と女性の体の変化の時期について教えてゆく。さらに、セックスについてもしっかりと生徒たちに伝える。「新しいいのちを生み出すため、精子を卵子に送り届けるためには、愛し合う男の人と女の人だけのとっておきの方法あります。それを性交、セックスと言います」。そして、セックスは新しいいのちが生まれる可能性があることなので、簡単にしてはいけないことを強調する。「簡単にしていい」「付き合っているなら、セックスするのは当然」というような情報が入ってきたときには、「それは違うよ。赤ちゃんを育てる準備がなにもできてないじゃないか」と、言ってほしいと。
赤ちゃんを育てることをイメージさせるために「服やおむつをたくさん買わないといけません。赤ちゃんはすぐ大きくなるので、すぐに買い替えなければいけません。収入がないと育てることはできません」と、多くのお金や愛情が必要であることを述べ、責任の自覚をうながす。「いのちに責任が持てるまでは、セックスしてはいけないのです」と〝No Sex”を強調している。
さらに離婚が増えている昨今、子どもたちの幸せな結婚を願い、「結婚とは、違う家で育った人たちが新しい家を作っていくことです。二人ならではのとびきり幸せな家を作る決心をして、努力しないといけません。赤ちゃんが、この両親の家で生まれて良かったと思えるような家庭を作らなければ」