信仰の良書を読もう! 信仰の良書を読もう!(2)
伊東泰生
日本同盟基督教団・上大岡聖書教会会員
|
---|
真の神に背き、霊的盲目の状態に陥った人間にとって、本来、神に立ち返ることは、そうたやすくできることではありません。
私たちは、生まれながらに罪を背負った人間であるがゆえに、さらに困難なことと言えるでしょう。
ですから十字架の贖罪という話を聞かされた時、それを自分に与えられた救いの事実(福音)として受け取ることにおいては、なかなか目が開かれないものです。
偉大なる説教者であったスポルジョンでさえ、自分自身について、「イエスの犠牲によって救われるという話を、私は若い時から聞いていました。しかし、魂の奥底では、全くの未開人の間で生まれ育った人より分かっていなかったのです」とこの本の中で述べているぐらいです。
百年以上も前に書かれたこの古典は、十字架による救いを信じる際に妨げとなるであろう誤った考えや思いに言及し、どのように振る舞うべきかをみことばによって解き明かしています。そして一貫して神の恵みが文面に表されている、時代を超えた良書です。
個人の魂の救いを切望して止まない著者が、福音のみをもって、読む側に重要な選択を迫る、聖き叫びのようにも思えます。使徒パウロのように、キリストによって捕らえられた選びの器として、失われた魂を主のみもとに導いていく力強い文章に、私は大きな感銘を受けました。
本書が、世界中で長きにわたって読み継がれ、多くの人々を回心へと向かわせたのも、ごく当然のことと感じられますし、今後も霊的な影響を与え続けることは確かでしょう。
本書は未信者を対象に書かれた内容ではありますが、クリスチャンがこの本から求霊における熱き姿勢に触発されるとともに、人に語るべき福音の事柄や、アプローチの仕方についても多くを学ばされる素晴らしい伝道書だと思います。
ぜひ一読されることをお薦めいたします。