八ヶ岳のふもとから 第2回 あったか白菜なべ
松村登世
八ケ岳山麓の冬を迎えるのも今年は15回目、すっかりベテランになりました、と言いたいところだけれど、そのぶん年を重ねたせいか、寒さが身にこたえてストーブにかじりついている日々が恥ずかしい。こんな日はとにかく、暖かい食卓を用意するのが私の役割と思っている。
11~12月に収穫した冬野菜(大根、かぶ、白菜など)が、お風呂のすみの発泡スチロールの箱に眠っている。春まで毎日これらの野菜を使って、おでん、かぶら蒸し、白菜鍋と温かい料理を作るのである。霜をかぶった白菜の美味しさは格別で、芯の所をかじってみるとリンゴより甘くびっくりする。この白菜は、和、洋、中華何にでも使えるが、軽く蒸したり、茹でて使うと美味しさが倍増するからお試しあれ。
描いたのはベーコンを入れた白菜鍋で、洋風のスープの素を入れて煮込んだもの。若い人にも喜ばれると思う。少し老いた私たちは、昆布や鰹節だしに酒やしょうゆで味付けして、鶏のミンチボールや魚介類とともにいただくことが多い。時には豆乳仕立てにしたり、豚肉とキムチを入れたりもする。味付けの工夫で、白菜は何色にでも染まってくれるすぐれた野菜で、私は名脇役だと思っている。私も誰かの名脇役と言われてみたいものだ。
レシピ recipe
洋風*白菜は丸のまま輪切りにして鍋に入れ、周りに干ししいたけをもどしたものやニンジンを入れ、真ん中に油抜きしたベーコンを花弁のように飾り、 固形ス-プの素、酒、みりん、薄口醤油で30分くらい煮ます。最後に色どりのさやえんどうを加えます。
和風*土鍋の底に昆布を敷き、白菜を並べ、白菜の間に豚のバラ肉薄切りをはさみ、水の代わりに日本酒をたっぷり注いで30くらい煮ます。最後にたっぷりの九条ネギを入れ、大根おろしとポン酢などでいただきます(この頃、柚こしょうも使います)。
<編集者より>
今年はクリスマスも新年も日曜日。その間はわずか1週間しかないのだな、ということに改めて気づかされる。昨年、最後に編集担当したのは『朝ことば』。みことばを実践することに焦点をあてた一冊だ。新しい年はこの本を手に「みことばの実践」にチャレンジしたいと思う。どんな一年になるのか楽しみだ。(永倉)
「みこころ」と思って進んでみたけれど、後になって「あれは自分の早とちりだったのではないか」と悩むことはないでしょうか。みこころを知る方法がとても具体的に書かれた名著『神のみこころを知るために』が、今年の限定復刊企画候補に入りました。私から特におすすめしたい一冊です。(加藤)