四十路へのずっこけ恋愛道 教訓1 白馬に乗った王子様はいない。鎖を食いちぎってムツゴロウを探しに行こう。
松本望美
北朝鮮宣教会所属
少し前から世間では、三十歳以上・未婚・子なしは「負け犬」と呼ばれているらしい。三十八歳で独身の私などは余裕で負け犬だ。
そんな「負け犬」たちと話をすれば、「教会に男性は少ないし、独身だったらだれとでもいいってわけじゃないし」「同じクリスチャンといっても信仰のスタイルが違うと大変だし」「ノンクリでも社会性があって人格もいい人たくさんいるけど、彼らを導くのも長期戦だよね」「まあ、いいじゃん。神様がそのうちにぴったりな人を送ってくれるよ」「そうよ。全能の神様だもん!」「アーメン!」と口をそろえ、信仰的に締めているが、そんな会話を「負け犬の遠吠え」というのだそうだ。
私の友人たちは、熱心で伝道に力をいれ、世界に出ていく女性が多い。もはや、ただの負け犬なんかとは呼べない。まさに「鎖を食いちぎった負け犬」ぐらい言われそうな勢いだ。
そんな私たちは、「結婚のためにも祈っていこう!」と励ましあってはいるが、鎖まで食いちぎった犬たちに合う男性って、警察犬の訓練師かムツゴロウさん的な男性しかいないのではないかとも思う。
私は仕事の関係でいろいろな教会を訪れる。ある教会で同年代の独身男性が言っていた。「僕は受け身なので、女性にリードしてもらいたいです。だから自分は奥さんにリードしてもらいたいと思っています……」。私は、たぶん五秒ぐらい口を開けていたと思う。
私たちがドーベルマン(あれ?)だとしても、やっぱり女性なわけで男性にリーダーシップをとってもらいたいし、隣に座って「よしよし」となでられたい時もある。
婦人会にも出席し「耳年増」となった今、結婚してもいろいろなドラマがあることも判明している。ただやみくもに「何が何でも結婚せねば」とは思ってはいない。「この人は神様が選んでくれた人」という確信を持てる人とじゃないと結婚したくない。聖書の言うとおり、結婚は「神聖」で「神の前で契約」する尊いものだし。
だから、別にマルチーズやチワワになろうとも思わない。白馬の王子様がいないこともわかっている。鎖を食いちぎりながら、神様から与えられているミッションをしていることも幸いだしね。
いつかムツゴロウさんに会える日まで……。