四十路へのずっこけ恋愛道 教訓9 独身の賜物でも、修道女でも、ゴールは天国なので、よろしく……あれっ?

松本望美
北朝鮮宣教会所属

 大学時代の仲良しの友人たちと「プチ同窓会」をよくやる。クリスチャンの友人に「同窓会で伝道できるように祈って備えるわ!」と言うと「私も祈ってる!」と言ってくれる。

 同窓会に集まった友人の半分は子持ちで、もう半分は独身である。しかし、お互いの近況を報告し合った後、お約束のように「子持ち」と「独身者」と紅海のごとく真っ二つに席が分かれる。そこでの会話は天地の差だ。

 「あら、素敵! このバッグ!」と誰かが言えば「まだ日本に入ってきてない型よね?」「そうなの、旅行先で購入したの!」と独身チーム。「A子ちゃん! マンション購入したって本当?」という一言で「え~! 私も考えてるの!」と何人かが騒ぎ出す。

 また、子持ちのほうの会話を聞いてみると、「この前、パパの運転でバーベキューに行ってね! 楽しかったわ!」「いいわね~! ねえ、お受験って、いつから準備してたの?」「私も聞きたい!」と何人かが熱心なまなざしになる。大学時代はみんなで仲良く遊んでいたが、卒業後は「人生いろいろ」だ。チームごとに分かれて盛り上がった一次会終了。

 子持ちチームは「じゃあ、私たちはこれで失礼するわ」とおっしゃり、独身チームは二次会に突入する。次なる話題は「ねえ、見てみて! これ、私の甥っ子なの!」「私の姪っ子もかわいいのよ~!」と携帯の写真を見せ合い、「甥っ子姪っ子自慢」に突入する。と、ある友人が「今つき合っているのは、五歳年下なんだよね」と話し出す。「へえ~! 年下なんだ? 私は、年下ダメだな~!」というその彼女はどうも不倫の香りがしてくる……。「それより、紀香の結婚どうよ?」と今度はそれで盛り上がり始め、話は展開していく。

 「ところで、望美は最近どうなの?」「私? 私は……」と言うと、「あんたね~、まずはバッターボックスに立ちなさい! そして、球が来たらとにかくバットを振ること! いや、バントでもいい!」と怒られる。いや~、今日は伝道モードはムリかな~と思っていると、ある友人の一言で場は急変する。「望美は修道女になったから別にいいんじゃない?」「シスター望美か~! そうか、結婚はしないんだもんね」「いや、違う違う!」と焦る私。そこで、キリスト教の話に突入していったのだが、このまま生涯独身だとしたら「やっぱり、望美は修道女だったのね」ということになるのだろう……。