四季の庭から 7 友だち
森住 ゆき
日本福音キリスト教会連合 前橋キリスト教会会員
中学生のころ、キャロル・キングの「YOU’VE GOT A FRIEND 」という歌ばかり聴いていた時期があった。
「あなたがトラブルに元気を失って慰めを望むとき、何もかもうまくゆかずに落ちこむとき、ただ私の名を呼んで。私はどこにいようともあなたに会いに駆けてゆく。あなたにはいる、友だちが」
こんな友だちが本当にいてくれたらなあ。生徒会や部活で忙しく、友だちもいないわけではなかったけれども、気がつくと飢え渇くような思いで何度も繰り返しこの歌を聴いていたのは、心の深い場所に誰にも満たせない空洞があることに気づき始めた時期だったからなのか。
その子はやがて友情よりも恋愛に心を用いる年頃になり、テレビドラマでヒロインが電話で「会いたいの」と言えばすぐにやってくる背の高い男にうっとりし、「友だち」よりかこっちが断然いい! と思うようになる。が、しかし、私の現実世界はドラマのようには美しく展開せず……紆余曲折の中で「友だち」探しをあきらめかけたとき、イエスさまが駆けてきて「友よ」と呼びかけてくださったのだった。
夏が来る。日頃教会から少し距離を持つ若い人たちも、キャンプに招かれ、みことばに向きあう季節。悩み多い思春期を生きる若い方々が、イエスさまと出会えますように。イエスさまに出会うことを通してこそ、人と人は豊かに出会い、深い友情で結びあい安らげるのだから。