報告 フォトジャーナリスト・大藪順子氏が、
今年度の「やよりジャーナリスト賞」を受賞されました。

 一昨年末に発行された『STAND/立ち上がる選択』(フォレストブックス刊)の著者で写真家の大藪順子氏(アメリカ在住)が、この度、第4回女性人権活動奨励賞『やより賞』のジャーナリスト賞を受賞。これは、ジャーナリストとして女性や弱者の立場に立って国際的な活動をしてきた故・松井やより氏の遺志と基金による「女たちの戦争と平和人権基金」が主催するもので、これからの世界に必要で重要な働きを担う女性たちに毎年与えられている。

 自らのレイプ被害と、そこからいかに立ち上がったかを綴った『STAND』が発売されて以来、教会内外でひたひたと「STAND」の輪が広がっている。被害者である女性たちからも「むさぼるように読んだ」「涙ながらに読んで解放された」「あなたのせいではないということばに癒された」との声が寄せられ、実際に「私たちにできることをしよう」と、プロジェクトを立ち上げた人たちもいる。

 大藪さんが日本で講演するようになって約3年。昨年秋も講演会と「性犯罪サバイバーたちの素顔」の写真展が、全国10個所に及ぶ都市で展開され、多くのメディアで取り上げられた。

 大藪さんは、講演の中で必ずこう語りかける。

「私の話を聞いて、過去の経験のフラッシュバックが起きて気分が悪くなった人は、必ず誰かに助けを求めて下さい。ヘルプを求めることは、決して恥ずかしいことではないから。」

 横浜の講演会(主催/ひとつぶの麦、共催/横浜市他)の後で開かれた交流会では、個人的に話をしたい、自分の体験を聴いてほしいという人の列が途切れることなく続いていた。