天使のパレット おかあさん

ホーローのアンティークブレッド缶
相馬幸恵
片柳福音自由教会会員

 「大きくなったら何になりたい?」 「おかあさん!」

 こんな会話をはるか遠い昔にした記憶があります。そして、あこがれてたはずのおかあさんになったとたん赤ちゃんにふりまわされ、大人の都合など考えず泣き、ぐずり、病気をすれば抱いたまま東の空が白々と明ける、そんな日が何度もありました。もちろん赤ちゃんはかわいいのですけれど。ときどき「あー、一人になっておいしいコーヒー屋さんに行きたいなあ」なんてため息をついていたこともしばしばでした。

 そして10年ちょっとがたち、おかあさんの私も少しずつ成長させられていったような気がします。ふりかえれば失敗だらけ、欠けだらけの日々でした。けれども神さまの恵みとあわれみは、それをいつもおおってくださいました。

 両手は決して美しくはないのですが、家族のために食事を作り、洗濯物を干し、掃除をすることができます。そして子どもたちが学校へ行く前に、小学生の娘にはランドセルごと腕を回し、中学生の息子には両肩に手をおいて祈るとき、「あぁ、おかあさんになれて、本当に神さまありがとうございます」としみじみ感謝しています。

 母の日は、自分を産み育ててくれたおかあさんへの感謝をあらわす日です。何らかの形でありがとうのメッセージを贈りたいですね。

 最近、アンティークものにハマっています。が、その値段にはとてもとても手が出せません。今回は、おしゃれなホーローのアンティークブレッド缶をミニチュアで作ってみました。