子どもが集まる教会に
CS成長センター、CS活性化推進委員会が教会に子どもが来ない現状を打開しようと検討するなかで生まれた『教会学校スターターキット』。教会学校に必要なものをすべてそろえてパッケージにしたその中身、具体的な使い方を大公開!
教会に子どもが来ない
みなさんの教会には、教会学校がありますか。あるいは子どもたちを対象にした伝道プログラムや教育プログラムがありますか。それはどのようなかたちで行われているでしょうか。そしてそのプログラムに満足しているでしょうか。CS成長センターが主催してきたCS教師セミナーや全国の教会を対象に行った「教会学校の実情アンケート」を通して、教会学校の現状と課題が明確になってきました。課題は要約すると、次の四点に集約されるようです。
1 地域の子どもが教会に来ない。
2 イベントには集まるが日曜日につながらない。
3 高学年になると地域活動・学校活動に流れてしまう。
4 教師の育成ができない。
アンケートによれば、今の日本の教会の教会学校の半数以上が在籍生徒が十人以下、それに対して教会学校の教師は生徒一人につき〇・五から一人です。つまり半数の教会学校はマンツーマンに近い状態です。
ある調査によれば、教会の新来者の八割がかつて教会学校に行っていたことがあるそうです。まったく教会に行ったことがない、あるいはキリスト教にまったく縁がない中学生以上の人が教会に足を踏み入れるのは極めてまれなケースなのです。つまり、教会学校、児童伝道に教会の将来がかかっていると言っても過言ではありません。教会学校、児童伝道の活性化が急務なのです。
何のために教会学校をするのか
まず最初に、何のために教会学校・児童伝道をやるのかということを確認してみてください。伝道を目的にしているのか、教会員の子弟教育を目的にしているのかでプログラム、特にカリキュラムの内容が変わってきます。そして、その働きの最終的なゴールがどこにあるのかを明確にすることが大切です。もし教会学校を維持することが目的なら、その働きは早晩行き詰まるでしょうし、子どもが来なくなった時点でその働きは終わってしまいます。毎年、多くの教会学校では、子どもたちが中学に進むと、教会学校も卒業してしまうということを経験しています。子どもたちをただ集めるのではなく、子どもたちが信仰の確信をもち、確実に教会につながるように導いていかなければ、この悪循環を断ち切ることはできません。
次世代への信仰継承を常に念頭に置いて、教会学校・児童伝道に真正面から取り組むことが必要です。
やると決めたらやる、やり続ける
そして、「やると決めたらやる」ことです。つまり子どもが一人も来なくてもやるということです。子どもの数に一喜一憂するのではなく、「やるべきことだからやる」というスタンスです。そうでなければ、子どもが来なければ失敗、多く来たら成功になります。個別の集会ではそのような会があったとしても、子どもをたくさん教会に連れてくること自体が最終ゴールではないはずです。
教会学校・児童伝道四つのステップ
教会学校・児童伝道の最終ゴールを考える上で、児童伝道の四つのステップをみてみましょう。
1st ステップ 教会学校ないし行われている児童伝道のプログラムに、子どもが継続的に出席し、そこのメンバーであるという意識(帰属意識)をもつようになること。
2nd ステップ 継続的に集うようになった子どもが、信仰の確信をもち、イエス様が救い主であることを個人的に受け入れるようになること。
3rd ステップ 信仰の確信をもつようになった子どもが、自らの意思で聖書を読み、祈る生活を始めるようになること。
4th ステップ クリスチャンとして歩み始めた子どもが、奉仕する者となり、友達や家族に伝道するようになること。
教会学校の働きには当然、この四つのステップが含まれています。しかし、実際にはこの四つを一度に同じ時間・場所で行うことは難しいのではないでしょうか。教会によっては今は伝道的な面に力を入れているとか、教会員の子弟の教育に力を入れているとか、その教会の事情や取り組みによっても違うでしょう。
教会として、あるいはその集会がいずれの段階にあったとしても、最終ゴールは、集った子ども一人一人が、一人の人間として扱われ、信仰をもち、奉仕の生活、祈りの生活へと導かれ、やがて自分の周りにいる人に福音を伝えていく者となるということです。今日、教会に初めて足を踏み入れた子どもがいたとします。その子をただのお客さんと見るのか、将来その子が信仰者として歩む姿を思い描けるのか、そこには大きな違いがあります。ぜひ最終ゴールを明確にしてください。
再生のための七つのアプローチ
「教会学校スターターキット」は、四つのステップの最初の二つのステップを想定して考えられています。ですから、このキットのゴールは集まった子どもが信仰の確信をもつことです。そこから先は養いと教育が中心となります。
その点については、私たちの発行する「成長」をはじめ教会学校教案誌の出番となります。
「教会学校スターターキット」は、これまでに説明してきた現状を何とか打開する方策はないかと検討する中で構想が生まれました。そして次の七つのアプローチが考えられました。
1 まず、何のために教会学校・児童伝道をするのか確認しましょう。
2 やると決めたら、子どもが来なくてもやり続けましょう。
3 今いる教師(一、二人)、今いる生徒(五人以下)でできることから始めましょう。
4 地域の子どもを招くため、伝道を第一の目的としましょう。
そのために聖書の全体像と聖書の教えについて、初めての子どもにもわかるようなカリキュラムに沿ってメッセージを用意しましょう。
5 子どもたちを招くためのイベントや方法を準備しましょう。
6 子どもたちを集会・教会に定着させ、確かな信仰へと導きましょう。
7 成長を後押しするために訓練し、子どもたちを奉仕する子ども、友達を招く子どもへと成長できるよう導きましょう。
以上七つのアプローチをもとに教会としてどのように取り組むかを具体的に想定して、何が必要かということを整理し、集約したのが「教会学校スターターキット」です。
具体的には、伝道的なカリキュラム、カリキュラムに沿ったメッセージ集、メッセージに対応した視覚教材、子どもたちを集めるための方法の提案、少人数でできるイベント・ゲームの紹介、イベントや各集会の案内チラシ・チケットのテンプレート、賛美のための音楽CD、これらを全てパックしたキットです。
「教会学校スターターキット」には、これから教会学校、子ども会、公園伝道、各種の児童伝道を始める際に必要なものをすべて用意しました。「教会学校スターターキット」は万能薬ではありません。けれども、使うみなさんのやり方によって、さまざまな可能性があります。ぜひみなさんでこのキットを活用してください。このキットを足がかりに、あなたの周りにる子どもたちを招き、導いてください。
CS活性化推進委員会
(教会学校スターターキットテキスト「スターターガイド」はじめにより)