子どもたちに今! 伝えたい
「性といのち」の大切さ… 第14回 妻子ある男性との交際
永原郁子
マナ助産院院長
最近、同級生だった男性と連絡を取り合うようになりました。私も彼も結婚していて、子どももいるのですが、彼は関係を求めてきました。拒否していたら(もちろん、不倫みたいになるからそれは悪いと思って)今度は突き放され、それを望んでいたのにそうされたら逆に「悪いことしたのかな」って落ち込み、毎日がモヤモヤしています。(三十代 女性)
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あなたの決断と行動は正しいです。「悪いことをした」と落ち込むことは全くありません。
彼は、あなたが自分の思い通りにならないとわかれば、手のひらを返したように態度が冷たくなったのですね。それはあなたに対して失礼極まりない態度です。たとえあなたのことが好きなあまり、衝動に駆られて体を求めたとしても、あなたがそれを望んでいないことがわかれば、その気持ちを尊重してくれるのが、本当にあなたを大切にすることです。
もしかしたら、あなたは彼から「僕が不機嫌になったのはお前のせいだぞ」というような無言の圧力をかけられているのかもしれません。高圧的な言葉や態度は、相手の正常な判断力を奪い、「私が悪かったのかしら」と思わせてしまいます。彼が力で相手を意のままにしようとするような人なら、そんな人の側にいても、あなたは決して幸せではありません。すでにあなたは彼の態度で落ち込み、日常生活に支障をきたすほどですから、彼の高圧的な力によって、心がコントロールされてしまっているのかもしれませんよ。
また、人間の体には恋するホルモン「PEAフェニルエチルアミン」という脳内物質があるそうです。果たせぬ恋、障害が多い恋、緊張や不安定な状態が続く恋にはより多く分泌されるとのことですが、もしかしたらこの恋するホルモンが、あなたの判断力を奪ってしまっているのかもしれません。
いずれにしても、「落ち込みとモヤモヤ」から解放されるために二つの作業をしてみましょう。
「不倫みたいになる」と書かれていますが、もし彼と関係を持つなら、それは完全に不倫です。あなたが不倫をした結果、起こりうることをシミュレーションしてみましょう。不倫がもし、夫に知られたときの自分を想像してみてください。あなたは夫にどのように言いますか。もしそれが近所の噂になったら、あなたは耐えることができますか。もし子どもがそれを知ることになったら、どれほど子どもたちが悲しむでしょう。彼が性感染症を持っていることも考えられます。妊娠することもありえます。
これらのことがシミュレーションであって、現実に起こらずにすんでよかったではありませんか。
「落ち込みとモヤモヤ」から解放されるために、もうひとつの作業をしてみましょう。あなたのご家庭の中の幸せを三十、見つけてください。この幸せを壊してもいいほどのことが、ほかにあるでしょうか。
何よりも、あなたが不倫を思いとどまったことを神さまは安堵しておられるのではないでしょうか。
聖書には男女のことや性のことが次のように書かれています。「神は人をご自身のかたちとして創造された。……男と女とに彼らを創造された」(創世記1章27節)。性は神が創られたもの!
また、「人が、ひとりでいるのは良くない。わたしは彼のために、 彼にふさわしい助け手を造ろう」(創世記2章18節)。神は男女が助け合い、愛し合い、ともに生きる特別のパートナーを持つことを認めておられます。
そして、神はパートナー以外の人と性的関係をもつことを禁止されているのです。
「実に、神の御心は、あなたがたが聖なる者となることです。すなわち、みだらな行いを避け、おのおの汚れのない心と尊敬の念をもって妻(夫)と生活するように……」(Ⅰテサロニケ4章3、4節/新共同訳)
「しかし、みだらな行いを避けるために、男はめいめい自分の妻を持ち、また、女はめいめい自分の夫を持ちなさい」(Ⅰコリント7章2節/新共同訳)
主からいただいたいのちですから、主が喜ばれるために用いたいですね。主に祝福された素晴らしいご家庭を築かれますように。
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