往復メール kei Vol.2 ドニーからもらったもの
那須 敬
国際基督教大学 社会科学科助教授(西洋史) JECA 西堀キリスト福音教会会員
5月6日のドニー・マクラーキン師のコンサートは、とても印象的だったよ。僕はどちらかというと古くさいゴスペルが好きで、コンテンポラリー・ゴスペルのミュージックシーンをあまり知らなかったんだけど、shioyaが前々から盛り上がってた意味がよくわかったよ。
圧倒的な歌のうまさはもちろんなんだけど、それにおとらず印象的だったのは、へりくだった姿勢、あたたかい包容力、喜びが放射しているような笑顔。そういう人柄が、豊かな音楽性と融合していたね。おお、これがゴスペル歌手だよ!と思ったね。語る言葉も牧師らしく説得力たっぷりだし、だれでもすぐに心をつかまれてしまうような、稀有な伝道者だったね。
今回は、特別に日本で募集したクワイアのためのワークショップをマクラーキン師自ら半週間にわたって手がけて、そのクワイアをバックにしてのライヴだったね。クワイアにはクリスチャンもそうでない人もいたようだけれど、とにかくゴスペル好きにとってはたまらないイベントだったわけだ。こうやって集まった人々に、マクラーキン師はどんなインパクトを与えたのかな?
shioyaはアメリカのブラック・チャーチの礼拝をよく見てきていると思うので、両方を見てどう思ったかも興味があるんだ。
というのもブラック・チャーチではゴスペルは、人々にとってもっとも自然体の音楽で、言ってみれば「日常」なんでしょう? 当然日本とは状況が違って、その文化的ギャップは小さくないなと常々感じていたんだ。にもかかわらず、マクラーキン師の音楽には、そういう差を乗り越えるパワーを感じたんだよね。アメリカのブラック・チャーチで歌っている人たちにとってのゴスペルと、日本で「ゴスペルを歌ってみたい!」と思って集まってくる人たちにとってのゴスペルの、架け橋のようなものが見えた気がしたんだよ。どう思う?