愛しきことば 2 いつも微笑んでいましょう
松田 圭子
寒い季節ですが、植物たちは、しっかり春の準備をしています。秋に落ちた葉っぱの布団の下で、じっと寒さに耐えています。ほんの少しでも暖かな日の光が差し込んで来ると、待ち遠しいかのようにぬくっと落葉の布団を持ち上げてきます。そんな植物の生命の力を慌ただしい日常生活の中にも感じられることは、とても幸せなことです。
そして、いつも自然の力を感じるのと同じくらい大切に思うみことばがあります。それが今月の表紙にあげた「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべてのことについて、感謝しなさい」です。人として生きるための基本だと思う言葉です。まだ聖書との縁が遠かった頃、昔からの言い伝えで“茶柱が立つといい事がある”という言葉の解釈にとても興味がありました。ここから読み取れる奥深い内容は、ずっと心に残っていて“いつも喜んでいなさい”のことばに出合ってからこの両者が重なるのです。“茶柱の言い伝え”をまとめると“茶柱の立った日は、何かいい事があると心に思っているので気持ちも前向きであり、親切な行動が自然と出たり、無意識のうちに笑顔で人と接し、それによって、相手も笑顔になり結果的にいろいろなことが良好になる”ということです。つまり単なる言い伝えで、偶然にいい事が起こるのではなく、自分自身が、いい事を作り出しているのです。大変なときや悲しいことの最中に喜ぶなんてありえないと思います。しかしどんな状況でも確実にいい事があると信じられるのなら人はいつも笑顔でいられます。そしてこれらを支えるのが、みことばに続く“絶えず祈りなさい。すべての事について感謝しなさい”という、祈りと感謝の心だと思います。人は愚かなもので、こと大切な事をうっかり忘れてしまいがちですが、祈りと感謝を忘れない心は、人に大きな生きる力を与えてくれます。
正統なみことばの解釈とは違っているかもしれませんが、感じ取ることも大事だと思っています。ことばそのものが語りかけてくれるメッセージを受け止め、植物からも力をもらい、日々の生活を楽しみたいと思います。間もなく春ですね。