春の「限定復刊」がスタートあの名著をさわり読み! ■訓練されて、人生を歩む

ある牧師が、「人生のさまざまな場面で助けられた」とレイモンド・エドマンの『新版 人生の訓練』をあげていた。ずっと気になっていたが、今回「訓練」の機会を得たいと思い、手に取った。本書は、「中傷に対する訓練」「孤独を通しての訓練」「軽蔑に耐える訓練」「出世についての訓練」など、三十一の訓練について述べている。その中から、若い頃からの生き方についての文を紹介しよう。〈編集者N〉

信頼性の訓練
実に多くの若い人たちが、人生のさまざまな問題のために悩んでいる。もし彼らが、至高者なる神が自分に求めておられることを知るなら、それらは直ちに解決するであろう。彼らは、人生の計画が確定している人々を見て、心ひそかにうらやましく思う。自分は聖職につくべきか、宣教師となるべきか、教師か、看護婦か、農夫か、それとも他の職業につくべきか。彼らは自分がうらやましく思う人々ほどはっきりと主のみこころを知らないからである。
どのような計画を立てたらよいか。大学では何を専攻すべきか、選択科目はどれにするか。将来に備えて、この夏はどんなアルバイトをしたらよいか。しかし、とにかく、生涯の使命が何であるかを知っていようといまいと、将来のために最もたいせつなことは、現在目の前に置かれている義務を全うするということである。なぜなら、信頼性の訓練のためには、与えられた仕事を欠けなく行うことが要求されるからである。現在与えられている義務を全うする者が、将来についていつになっても教えられず、暗やみの中に取り残されるなどということは決してない。光は必ず差し込んでくる(詩篇一一二・四、ヨブ二二・二八、二三・八―一二)。忠実に任務を果たす者は、夢の実現を見、それは決してむだになることがない。かえって人々から信頼されるようになり、義務を果たすことに喜びを覚えるようになる。
……たとい一つのことでもよいから、その専門家となりなさい。一つのことをりっぱに成し遂げる訓練を積む人は、他のどんなことをやらせても必ずりっぱにやり遂げるに違いないと信頼されるようになる。

『人生の訓練』
V・レイモンド・エドマン 著
海老沢良雄 訳

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