時代を見る目 115 胸をはって生きる(3) 明日のために
吉澤 恵一郎
中四国地区キリスト者学生会 主事
一九八三年にTBS系列で放映されたドラマ「ふぞろいの林檎たち」の最終回はたいへん印象的だった。学歴コンプレックスに悩む三人の学生たちを描いた青春ドラマで、最終回は彼らが企業を訪ねて会社説明会に出席する展開であった。人事課の手違いで、ひとつの部屋に集められた就職希望者たちであったが、有名大学の学生たちが次々に別室に誘導されていく。取り残され、ざわめいた部屋の中で彼らは言う。「いいから胸をはっていろ。問題は生き方よ!」。サザンオールスターズの音楽とともにフリーズされた画面は、今でも私の脳裏に焼き付いている。
問題は生き方なのである。生き方こそ真実であり、説得力を持つ。多くの人は宗教には興味がないが、神を信じて真剣に生きている人の生き方には興味があるのだ。だから、マザー・テレサの偉業は世界中に伝えられ、刺青クリスチャンの回心は映画になるのだ。
そして、世の人たちは、キリスト者に注目している。それは、クリスチャンが成功するかどうかではない。どのような姿勢で勉学に励んでいるのか? 誠実に仕事に向かっているのか? 失敗をしてしまったときに、どのような態度をとるのか? 口先だけではない本当の愛に生きているのか? 私たちが考える以上に厳しい目で見ている。
「同じように、妻たちよ。自分の夫に服従しなさい。たとい、みことばに従わない夫であっても、妻の無言のふるまいによって、神のものとされるようになるためです。それは、あなたがたの、神を恐れかしこむ清い生き方を彼らが見るからです。」(Ⅰペテロ3章1、2節)
聖書記者は、たとえ、みことばに聞き従わない夫であっても、妻の神を恐れかしこむ清い生き方を見るときに、妻が何も言わなかったとしても、無言のふるまいによって神のものとされるという約束を私たちに伝える。
私たちが、本気で神を恐れかしこむ清い生き方を貫くのなら、私たちのこの国は変わるのだ。私たちが真剣に神を恐れかしこむ清い生き方を貫くのなら、私たちの明日は変わるのだ。二十一世紀は、クリスチャンの神を恐れかしこむ清い生き方によってつくられるのである。
だから、胸をはって!