時代を見る目 168 現代の子どもたち (3)
大人は、子どもの教科書です
西村希望
単立・みどり野キリスト教会 ユースパスター
あるテレビ番組で、未成年の犯罪者の名前を公表すべきかすべきでないかをテーマに討論している番組がありました。その中で、未成年の犯罪は、その本人に問題と責任があり、親には責任がないと叫んでいる人たちがいました。その話を聞きながら、とても悲しい思いになりました。
一〇〇パーセントとは言いませんが、子どもの責任は親にあります。子どもたちの責任は私たち大人の責任ではないでしょうか。
こんな話があります。お母さんガニが自分の子ガニに、こう言いました。
「おまえはなんでいつも横を向いておかしな歩き方をしているの、まっすぐに歩きなさい」。
そこで子ガニはこう答えました。「お母さん、ぼくはただお母さんのまねをしているだけだよ」。
大人は子どもたちのモデルなのです。私たちは、彼らにとって教科書です。私たちが望んでも、望まなくても、子どもの模範なのです。ですから、私たちはもう一度襟を正す必要があります。大人である私たちが、彼らのモデルであることを自覚し、生活、態度、信仰の良き模範となるべく努力をする必要があります。次世代の光とならなくてはいけません。パウロが言っているように「どうか私のようになってください」と、胸をはって言える者になる必要があります。
「子育ては、親にとって一番大切な仕事である」というメッセージもあります。次世代に仕えることは、私たちにとって重要な責務です。そのために、大人である私たちはもっと次の世代にフォーカスを当て、彼らのために惜しまずに犠牲を払うべきです。それは宣教においても同じです。リバイバルを願いつつも、日本の教会は三十年間、現状維持の状況が続いています。けれども、次の世代に目を向け、彼らに福音を伝え、次世代を勝ち取ることができるならば、やがてリバイバルの時を迎えます。
彼らは宝物です。今はまだ、宝の原石ですが、大切に磨くならば、すばらしい光を放つようになるのです。私たちの視点、価値観を変えましょう。彼らは邪魔で、役に立たないものではありません。次の世代にとって大切な器です。高価で尊い存在です。