私のとっておきの1冊 新連載 『改訂新版 恵みによる信仰生活 1、2』高木慶太


島田 誠
日本バプテスト・バイブル・フェローシップ 東京聖書バプテスト教会会員



改訂新版
恵みによる信仰生活1、2

高木慶太 著
1巻 224頁
2巻 232頁
A5判 定価 各2,100円

まるで、学習参考書のように、わかりやすい

 この本を初めて目にしたのは、読書家だった父の机の上だったと思う。始めはパラパラとページをめくりながら拾い読みしていたのが、いつの間にか引き込まれて全部読んでしまった。

 何と言っても章のタイトルや小見出しが興味深かった。「神の見方と人間的な見方」「間違った霊性の尺度」「主にある安息」「いつも心にかけてくださる神」「クリスチャン生活についての誤解」「神は解決を持っておられる」「神に委ねる」「すべてを益としてくださる」「最高に豊かな生き方」などなど。この本はクリスチャンが、どのようにしたら神の恵みの中を歩めるかについて、幾つもの章に分け、さらにその中に幾つもの項目を立てて、きれいに整理している。まるで、わかりやすい学習参考書のようである。私も、普段はメッセージや聖書通読を通して、その時その時に教えられていた霊的な生活について、すっきりと全体をまとめてもらった感じがした。

 折しも私が教会に導いた友人から手紙が届いた。「聖書を読みたいが、どこから読んだらいいですか」という質問だった。私は返事と一緒にこの本を送った。この本は、これから信仰生活を始めようとする友人に、クリスチャンとはどのように感じ、どのように考えるのかをわかりやすく教えてくれると思ったからだ。

 この本は全部で21章(改訂新版では、38章)あるが、やっぱり圧巻は十字架の贖いという、いちばん重要かつ基本的なことを語っている最初の4章だと思う。この4章がなければ、後に続く17章(34章)は全く力がなくなってしまう。できることならこの4章にもっと紙面を割いて、いろいろな角度から十字架の恵みについて語ってほしかったと思う。だから私は友人への手紙にこう書いた。

 「もしこの本が長いと思うなら、最初の4章だけでも読んでください」