続 四十路へのずっこけ恋愛道 教訓七 Jesus に全部でいこう!
松本望美
北朝鮮宣教会所属
「自分の力ない頑張り」や「はかない計画」よりは、
ドドーンとJesus に全部でいこう!
学生時代、仲良しの友人はよくこう言っていた。「私の夢は昔からお嫁さんになることなの。できれば二十五歳ぐらいで結婚して、優しい旦那様と子どもは三人。家は郊外の一軒家がいいかな。子どもの帰りを待ちながらおやつを作ったり、みんなでピクニックしたりしてね。ほのぼのとした家庭を作りたいの」。
そんな彼女は就職後すぐに同僚と恋に落ち、いわゆる「できちゃった婚」をした。そして、彼女の願っていたとおりに優しい(らしい)旦那様と三人の子どもをもうけた。家は、ずばり郊外の一軒家だ。
毎年、写真付き年賀状で近況を報告してくれ、これこそ「夢の実現」という姿を見せつけられていた。
「へえ~、絵に描いたような実現! おみごと!」などと言えば、隣にいた母親は「あんたは一体いつ結婚するんだか……」とため息をつかれたものだった。
そんな彼女と同窓会関係で連絡を取ることになった。
久しぶりにメールを交わしたのだが、その内容には驚いた。
「旦那が去年から鬱になりました」。
文面によると、どうやら躁鬱状態らしい。会社にも行けず、ド~ンと落ち込み、毎晩不眠だったかと思えば、かなりのハイテンションで独りで遠くまで出かけていく。それを繰り返す旦那と子どもたちとの間で友人は「私が頑張らないと」と力が入っている。
メールを交わしつつ伝道モードに入る私だが、結局、彼女は自分の頑張り以外信じない。
また違う知り合いの話。
ある日、その人と町でばったり再会した。「久しぶり~! 今どうしているの?!」と聞くと、「私ね、自分のビジョンを実現したんだよ」と言う。話を聞いてみると「二十五歳までに結婚できて、子どもも二人いるの!」と言う。ビジョンというからには、まだ続きがあるのだろうと待ち構えていると、それで彼女の話は終わった……。
その後の風のうわさでは、実は彼女はノンクリスチャンと結婚し、旦那に気を使って礼拝に出席できなくなった。さらに、子どもの宮参りにも行かざるをえなかったそうだ。
誰もが「幸せな結婚」を望んでいる。でも、その基準や定義が「この世の常識」や「ホームドラマ」の“幸せな風景”では、何とももろくはかない。また「自分の勝手な計画」がうまくいくはずがないしね。
自分作のシナリオよりもJesus作のシナリオのほうが味わい深い……ということは、婦人会に出てみればよくわかる。結局「はらたいらに全部!」より「Jesusに全部!」とささげた婦人たちは力強いのです……。