続 四十路へのずっこけ恋愛道 教訓三 結婚に夢を持ちすぎると、痛い目に遭うのは自分自身。
かといって、渡る世間でもないことを祈っておこう。
松本望美
北朝鮮宣教会所属
おもしろいのは、読み手の男性たちが自由に私をイメージしているようで、ある人は「聖母たちのララバイ」だし、ある人は「頼りがいのある相談役」、ある人には「結婚できずに焦っている宣教師」であり、またある人には「合コン相手」であったりする。中には、ご自分の写真などを送ってこられる方もおられる。
「教会内の姉妹たちとうまく話ができません」「誰も見合いの相手を紹介してくれません」とか「みこころだと思うのですが、自信がありません」という手紙が送られてくるし、ご自分がお作りになった詩集なんぞを送ってこられる人も……。
また、「連載を読むたびに結婚したくてたまらない……という感じを受けますが、お互い神さまにゆだねましょう!」などの手紙を読むたびに「いやー、そんなにガツガツした印象なのか?」と思わず噴き出してしまう。
困るのは、「今度お会いしましょう」「事務所に行ってもいいですか?」などの面会型。ソウル事務所で働いていた時、そういって来たうちの数人は“北の工作員”だったし、日本でも怪しい人は多いので勘弁してください。
いろいろなメールや手紙をいただいてお礼の返事を送ると、また手紙やメールが送られてくるのだが、多忙のため返事は一回だけとさせていただいている。
主婦になった友人たちと話しているとき「女性より男性のほうが結婚に対して『夢』や『希望』いや『妄想』を持っていると思う」と話すと「男性ってロマンチックなところあるよね。でも、そういう男性にはぜひとも“結婚の現実”を知っておいてもらいたいね」と言う。
「そうだよ~、みんながみんな“三浦友和・山口百恵”夫婦になれると思ったら大違い!」
(古いな~、たとえが)
それから、友人たちは結婚の現実を熱く語ってくれたのだが、「ああ、結婚ってキレイごとじゃないね」と言うと、友人曰く「結婚生活ってズバリわかりやすく言うと、“渡る世間~”の世界に自分の人生が突入するってことかも……」。
……へっ!? “渡る世間”?
突然、私の脳裏にはあのテーマソングが流れ、「おかくら」を舞台にした人間模様に飲み込まれる泉ピン子と自分の姿が交差した私であった。