聖書の世界を地図でめぐる 〝聖書そのもの”を理解するために
日本バプテスト教会連合 清瀬バプテスト教会
「この『バイブルワールド』は、いのちのことば社の営業の方にすすめていただいて知りました。カラー印刷の地図がきれいで、解説の文章も適切で、素晴らしい本だったので購入しました。丁寧に読むと、よく書かれているのがわかります。神学校の資料に採用されることもあるのではないでしょうか」と語るのは、東京都清瀬市にある日本バプテスト教会連合・清瀬バプテスト教会の坂本博牧師。
清瀬バプテスト教会では、毎週水曜日の夕方や木曜日の午前中に聖書の学びと祈りの時をもっている。また、日曜日の礼拝後にも、世代ごとに三つのグループに分かれて、聖書の学びをしている。
坂本牧師はそれらの学び会で、当時の歴史を知るために『聖書パノラマ』、聖書全体の流れを知るために『早わかり聖書ガイドブック』(ともにいのちのことば社)を資料として信徒たちにすすめてきた。そこに今回、新たに『バイブルワールド』も加えたという。
「学びは聖書を中心にすすめていますので、『バイブルワールド』は家で読んでください、という場合もあります。ですが、これらの本があることで、信徒たち自身で聖書をより深く理解することができていると思います」
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この日、木曜日の十時半から行われている「ルツの会」を取材させていただくと、主婦を中心に十一人が集まっていた。
旧約聖書の出エジプト記十二章が開かれ、「では、七節までお願いします」と言われた信徒が読み上げていく。少しずつ、聖書が読み進められ、合間に坂本牧師が当時のようすや歴史などを解説していく。〝聖書そのもの”をしっかり読み、理解することを何よりも大切にしている姿勢が伝わってくる。
「〝種を入れないパン”とありますが、これはイースト菌を入れないパンのことですね。イースト菌を入れたパンは、腐敗しやすいのです。また、急いで出かけなければならなかったので、パンの発酵を待つ時間がなかったのでしょう。今でも『聖餐式』ではパンを食べますが、それはこの時代から続いているのですね」
「創世記四十六章に、『エジプトに行ったヤコブの家族はみなで七十人であった』とありますが、出エジプト記十二章三十七節では、『イスラエル人はラメセスから、スコテに向かって旅立った。幼子を除いて、徒歩の壮年の男子は約六十万人』とあります。つまり、エジプトにいた『四百三十年』で、イスラエル人は、七十人から、壮年の男子だけで約六十万人にまで増えたのです。これは、エジプト人にとってかなり脅威だったことでしょうね」
そして、「ラメセスからスコテまでは、どのくらいの距離でしょうか。それでは、『バイブルワールド』の二十三ページを見てみましょう」との呼びかけに皆が本を開く。直線距離で「四十二キロ」と書かれているのを見て、「こうやって距離を知ると、具体的にイメージがわく」と感嘆していた。
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教会員たちに本書の魅力をたずねると、「やはり距離が書かれているのはイメージしやすくていいです」「そう。創世記で、ヨセフが兄たちのところにお使いに行ってくれと父ヤコブに頼まれた距離が、七十九キロもあったと知って驚きました」と話がはずむ。
「ちょっと持ち歩きをするには、大きくて重いのが難点かな」という声もあるが、「具体的で、わかりやすいので、聖書の学びを復習するときに使っています」「パラパラと見ているだけでも楽しい」と、かなり好評だ。
「聖書に書かれていることは何千年も前のことですが、今の信仰生活にピタッとくることがある。聖書を理解するのにとても役立つ本だと思います。この内容でこの価格というのもすごいですね」と坂本牧師も笑顔をみせた。